検察とマスコミの裏側
民主党の小沢一郎幹事長をめぐる政治資金の問題では、検察の暴挙ともいえるやり方への批判があちこちで噴出し、検察リークとマスコミの問題が露呈しました。この検察リークについて、ジャーナリストの魚住昭氏が、ご自身の経験に基づいた大変興味深い記事をご自身のサイトに掲載しています。
この記事を読むと、検察という組織が特ダネのほしい記者を利用して巧みにマスコミを操っているのかがよくわかります。魚住さんは、検察の罠にはまってしまった記者は「共犯関係」に陥ってしまうといいます。そして、「捜査当局に依拠する事件報道は当局の太鼓持ちをするように宿命づけられている」といいます。そういう目で見ると、今回の小沢幹事長の事件に関するマスコミ報道から、検察の意図がより鮮明に見えてきます。
最近明らかになりつつあることで、やはり検察の暴走としか思えないのが、元厚生労働省局長の村木厚子さんの逮捕と起訴。1月から裁判が始まっていますが、村木さんは起訴内容を全面的に否認して無罪を主張しています。それが事実であるなら、逮捕・起訴の背景には検察による意図があったということです。村木さんが逮捕・起訴されたときのマスコミの報道はいったい何だったのでしょうか。独自調査をせずに捜査機関のリークに頼った記事しか書かないのであれば、無責任の極みであり、むしろ有害です。しかし、そんなことにも気づいていない記者も多いのでしょう。
魚住さんは、1997年に「特捜検察」(岩波新書)という本を書かれているのですが、実はその本のあとがきで「戦後の高度経済成長下で肥大化し、腐敗してきた日本の官僚機構の中で、特捜部は利権の手垢にまみれなかった稀有な組織だと思う」と書いています。しかし、検察の裏金を告発しようとして逮捕・起訴されて刑に服したのが元大阪高検公安部長の三井環さんです。三井さんは1月18日に刑期を終えて出所されたのですが、これからまた果敢に検察批判を展開するようです。
三井環・元大阪高検公安部長が18日、満期出所。さっそく検察批判を。
警察のみならず検察という組織も利権にまみれており、自らに都合の悪いことを封印するためには何でもやり、またマスコミを巧みに操って情報操作をしている恐るべき組織ということでしょう。日本のマスコミが検察リークに頼っている限り、こうした検察の不正や暴挙は見えてこないのです。
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