シー・シェパードの衝突事故をめぐる真相
先日、シー・シェパードの捕鯨監視船アディ・ギル号が日本の調査捕鯨団の監視船である第2昭南丸と衝突したというニュースが流れましたが、日本ではもっぱらシー・シェパードを非難する論調の報道ばかりだったのではないでしょうか。この報道を耳にしてまず思ったのは、日本のマスコミ報道だけでは真実や問題点が正確にはわからないだろうということでした。シー・シェパードの過激で行き過ぎた行動を擁護するつもりは毛頭ありませんが、捕鯨問題では、事実をきちんと確認したうえでどちらに非があるのか、そして何が問題なのを見極める必要があります。
この件については、1月7日付けの北海道新聞では以下のように書かれていました。
シー・シェパードは「(事故発生時)ギル号は静止していたが、突然衝突された。(日本側は)救助もしてくれなかった」と批判。
一方、水産省によると「ギル号が第2昭南丸の右側から左側に横切ろうとした際に、急激に減速した後、再度急加速したために衝突した」としています。
双方の主張が真っ向から対立しているようですが、海上自衛隊のイージス艦と漁船との衝突事故のことが頭に浮かびました。イージス艦との衝突事故では、明らかにイージス艦側に落度がありました。今回の衝突に関しても、船の位置関係や大きさから考えれば、第2昭南丸の方がギル号を回避する義務があったのではないかと感じたのです。つまり、衝突は予測でき、第2昭南丸が回避行動をとらなければならないのに、意図的に回避せずに衝突させて、シー・シェパードの活動を一方的に非難しているのではないかという印象を持ったのです。シー・シェパードの妨害行動も問題ですが、もし第2昭南丸が意図的に回避を怠ったのであれば、第2昭南丸も同じように問題です。
と思っていたら、カメクジラネコさんがJANJANにまっとうな記事を書かれていました。以下です。
捕鯨問題に関しては、そもそもなぜ根強い反対運動があるのか、抗議活動があるのかという根本的な問題をもっときちんと論じなければならないと思うのですが、この国ではそういう原点が置き去りにされ、捕鯨反対を訴える団体の行動ばかりが非難の的になっているように感じます。
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記事をご紹介いただきありがとうございます。
あたごの事件を思い浮かべる人が少ないことに、むしろ驚きを感じますね。
マスコミや識者が、一歩距離を置いて冷静に見つめ直す作業を怠り、一方の当事者にのみ肩入れしている状況は、ジャーナリズムの未熟さを露呈しているようにも思えます。
投稿: kkneko | 2010/01/10 03:09
kkneko様
そうですね。あたごの時は、あれだけイージス艦側の回避の責任が問題視されたのに、今回はその点についてはほとんど無視のようですから、おかしな話です。日本の調査捕鯨が、自然保護の側面から世界の人々にどのように捉えられているのか、日本人はもっと意識すべきだと思います。
投稿: 松田まゆみ | 2010/01/10 21:38
さて、とりあえずkknekoさんと懇意になさってるブロガーさんとその閲覧者の方達にだけ御知らせしておきます。
http://suisantaikoku.cocolog-nifty.com/genyounissi/2010/01/janjan-no-3f7e.html?cid=41301870#comment-41301870
kkneko氏の「鯨肉は環境負荷最悪の食材」などという吹聴は完全に根拠の無い妄言だという事が科学的ソースによって証明された事を示しましたところ、氏は一切の反論を諦められたようです。
YAHOO掲示板等、公共のBBSで反論する事もしない、と
捕鯨船団の空調・冷凍設備に関するLCAについてもナニやらゴネておられたようですが、それらは基本畜産飼料海運船舶に於いても同様であります。
飼料運搬船舶に於けるそれを畜肉生産LCAに加えようとはなさいませんのに、捕鯨船団のそれのみに「鯨研は数字を出せ!!」と息巻いておられます様子を見た時点で気付かなければいけない事ではありますが・・・w
投稿: toripan | 2010/01/25 20:20
toripanさんが指摘されている件については、kknekoさんが以下の記事で反論しています。
http://kkneko.sblo.jp/article/34926028.html
投稿: 松田まゆみ | 2010/01/27 08:58
大変申し訳ありません。件の人物はJANJANの記事に100件を超えるスパム投稿を繰り返して編集部に多大なご迷惑をかけたうえに、当方のリンク集の登録ブログの皆様のサイトまで荒らしまわっているもので。ご迷惑をおかけしました。
投稿: kkneko | 2010/01/29 02:57
kkneko様
どうぞ気になさらないでください。JANJANの記事に多量のスパムコメントをつけていたとは、呆れます。
投稿: 松田まゆみ | 2010/01/29 16:30
松田まゆみ様。
其方のリンクにはkkneko氏から私への「反論」は全く見当たりませんし、氏がようやく参戦したYAHOOでも彼の言い分は完全に潰されてしまいましたがw
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=1&type=date&first=1
単位生産量当たりの食糧生産時環境負荷に於いての削減・代替案(オルタナティヴ)が存在するのは畜産だけではなく鯨肉も同じです。
その点についてはkkneko氏に何度も問い質しましたが彼は反論を諦めてらっしゃいますので・・・w↓
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&action=m&mid=41572
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=41791
冷静に俯瞰して見られれば「鯨肉は最悪の環境負荷食品」などと根拠の無い嘘を撒き散らしているのはkkneko氏である事がお分かりになると思います。
投稿: 中村透 | 2010/02/07 14:08
中村透様
あなたがご自分のご意見を主張されたいのであれば、ご自分のサイトを開設してそこでお願いいたします。他人のブログのコメント欄を利用されるのはお断りします。
kknekoさんは、不毛な議論はしないと言っているのです。私も同じ意見です。
投稿: 松田まゆみ | 2010/02/07 17:12
ブログを書かれてるのでしたら言葉は正確に使われた方がよろしいかと・・・
× kknekoさんは、不毛な議論はしないと言っているのです。私も同じ意見です。
○ kknekoさんは、負ける議論はしないと言っているのです。私も同じ意見です。
私個人の意向としてはkkneko氏本人様のブログに直接、氏の書いてる出鱈目を訂正するコメントを書きたいのですが、彼は自分に不都合な意見は最初からリジェクトして掲載してくれませんw
自説に厳しい意見を自己都合だけで封殺できるような場所でするのが単なる「主張」ならば構いませんが、嘘と出鱈目を交えた「悪宣伝」となるとハナシは別ですから。
シンプルに考えてみましょう。
仮に調査捕鯨を全廃してみたところで減らせる地球環境への負荷がどれだけのモノなのか。
鯨類偏重の偏った人達が振りかざす「捕鯨は環境に悪い」なんてのは単なる「おためごかし」に過ぎません。
投稿: 中村透 | 2010/02/07 20:15
中村透様
kknekoさんは「負ける議論はしない」などとは書いていません。
あなたがJANJANの記事に多量のスパムコメントをつけたのであれば、コメントを拒否されるのは当然です。私も「嫌がらせ」や「荒らし」と判断されるコメントは削除します。これは管理者の当然の権利です。
コメントを拒否されているのであれば、なおさらご自分のブログで自説を主張さればいいではありませんか。言論の場が欲しいのであれば、いくらでもブログでの発言ができますし、それが対等な議論というものです。また、私は匿名掲示板での議論には関心ありません。
記事と直接関係のないことに関する発言、論争の類の発言はお断りいたします。これ以上の書き込みはやめてください。これ以上執拗に書き込みをするのであれば、嫌がらせと判断して削除します。
投稿: 松田まゆみ | 2010/02/07 21:40
toripan→全く一緒なコメントを沢山のサイトにコピペしています
実は捕鯨問題を利用したレイシストです
自分もガイジンだのなんだの言われました
日本人でも様々な意見があることも理解出来ないようでは
投稿: マケイン | 2010/03/04 22:37
NYTimesの読者コメントでは、
1.同等の大きさの船舶は右からの船が優先だが、この場合、衝突の回避責任は、小型で速度の異なるAG号にある。
2.AG号は360度回転が可能(スクリューを左右逆に回す)であり、十分回避が可能。
3.高速のAG号は一旦前を横切るそぶりを見せたが減速、右に舵を切った昭南丸に逆に加速して衝突した。
4.視界が良好なのに、大型船にむるやり接近したAG号に責任がある。
というのが、船舶免許を持つ人や、海洋関係に詳しい人(アメリカ人です)の見解で、こちらのほうが説明が理論的でした。
投稿: エド | 2010/04/07 18:01