国交省がひた隠しにする八ッ場ダムのヒ素問題
品木ダムや八ッ場ダムのヒ素問題については「八ッ場ダムのヒ素問題」として取り上げましたが、保坂展人氏がご自身のブログで「週刊朝日」の記事をもとにヒ素問題について言及しています。
「H20年 ダム湖堆積物調査分析業務 地質調査・分析結果報告書」では、ダムサイトに近い部分で1キログラムあたり4~5グラムのヒ素が確認されていると記載されているそうです。あの猛毒のヒ素がこれほどの高濃度でダム湖に堆積しているという事実は非常に驚くべきことであり重大です。さらに八ッ場ダムにもヒ素が堆積することを予想して、50年後、100年後の予測も立てていたというのです。それにしても、こんな高濃度のヒ素を含む堆積物をこの先どうするつもりなのでしょうか。
どうやら国土交通省は、3年以上前から有識者を集めて非公開でヒ素問題の対策を検討していたようですが、国民の税金を使ってこのような調査や検討をしておきながら、ひた隠しにしてきたことに大きな憤りを感じずにはいられません。吾妻川の酸性水とヒ素問題は、あまりに重大な問題であるがゆえに、事業主体によってひた隠しにされ握りつぶされてきたといえるでしょう。
ヒ素問題とは直接関係ないのですが、「八ッ場ダム自然環保全対策検討業務」に関しては国土交通省の天下り法人が受注し、目が飛び出るほどの高額の事業費が付けられていたことが以下の「八ッ場あしたの会」のサイトに掲載されています(2008年2月11日付けの「しんぶん赤旗」の転載ですが)。この莫大な事業費は、いったい何に使われたのでしょう。そして、ヒ素問題の対策にはいくらの事業費が使われてきたのでしょうか。こんな実態であれば、ヒ素問題がひた隠しにされ握りつぶされてしまうのも頷けます。
「会議1回600万円? 八ッ場ダム関連業務」(しんぶん赤旗)
ダム建設が何から何まで癒着と利権の構図になっていることを物語っています。このようにして日本中の川にダムが建設されてきたのですから、恐るべきことです。
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