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2009/11/22

ゴミ屋敷という社会現象

 昨日は、タイトルにつられてNHKの「追跡!A to Z ゴミ屋敷なぜ増える?」を見てしまいました。ゴミ屋敷とはいったいどんな家のことなのか? なかなか想像がつかないこともあってちょっと興味をそそられたのです。

 初っ端から驚きました。敷地めいっぱいに積まれたゴミの山に、ゴミを拾ってきては積み上げる老人。自宅やマンションの部屋にうずたかく積み上げられたゴミの山。かなり想像を絶する光景でした。こういうのを「ゴミ屋敷」というのだそうですが、これが近年増えているのだそうです。屋外にゴミの山を作られたら近所の人たちから苦情がきますが、外から見えない屋内なら、他人に知られることもないのでしょう。

 家族との死別や別居で孤立したことがきっかけとなりこのような状況に陥ってしまう場合が多いようですが、一人暮らしの若い人も多いようで、家の中に数トンから十数トンものゴミが溜まってしまうそうです。いちどゴミが大量に溜まった状態になると、自分で何とかしたしと思っても、どうにもならなくなってしまうのでしょう。引越しなどのときに、業者に片付けを依頼することになるそうです。

 希望や気力の喪失、家族や友人からの孤立がきっかけとなっているとしても、その背景には人と人との結びつきが希薄になって他人のことまで気にかけない社会、片付ける気力も喪失させるほどの疲労や強いストレスを抱えた生活がありそうです。ある女性は、誰かが訪ねてくるわけではないし、家にいるときはほとんどパソコンでゲームをやっているだけなので、だんだんゴミがたまってゴミ屋敷状態になってしまったそうです。職場ではきちんと働いていても、私生活では緊張感が緩んでしまうのでしょうか? 社会的にも精神的にも孤立した状況になっており、ゲームに熱中することで現実逃避している様子が見て取れます。

 恐らくこれは、貧困や自殺の増加と同じような社会の問題なのでしょう。自治体や地域の人たちがゴミ屋敷の片付けを行っている事例が紹介されていましたが、それも対処療法にすぎません。孤独感とストレスを取り除かないかぎり根本的な解決にはなりませんし、今のような社会が続く限りこのような人たちは増えていくのだと思います。社会的な病理現象というのでしょうか・・・。どうもこの国はかなり深刻な状況に陥っているようです。

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