八ッ場ダムの地すべり問題
国土交通省は、八ッ場ダムの上下流で水質調査をし、環境基準を超えるヒ素が検出されていたのにも関わらずデータを公表していなかったことが明らかになりました。ヒ素問題については「八ッ場ダムのヒ素問題」 ですでに書きましたが、国交省は不都合なデータを隠していたということでしょう。2007年度は17ヵ所で測定し、5ヵ所で基準の1.3倍~100倍のヒ素を検出しながらこれまで知らんふりをしていたのですから、悪質です。
ヒ素問題に関しては、以下の朝日の記事なども参考になります。
さて、八ッ場ダムに関してマスコミがほとんど取り上げない重要な問題はヒ素だけではありません。「地すべり」問題があります。八ッ場ダム周辺は地すべり地帯なのですが、ダムに水を溜めることによって地すべりを引き起こす可能性が高いのです。具体的な説明については、以下をお読みください。
奈良県に大滝ダムというダムがあります。このダムは計画時から地すべりの危険性を指摘されていたのですが、それを無視して建設し、試験湛水直後に地すべりが発生したのです。結局、巨額を投じて建設しながら、今でも水を溜めることができません。とんでもない無駄遣いと自然破壊をしました。
このダムに水を溜めたなら、大滝ダムの二の舞になりかねません。八ッ場ダムは、単に目的を失っているというだけではありません。「ヒ素」や「地すべり」問題という視点から見れば、ダムをつくってはいけない場所に計画したダムということなのです。
ダム中止に異を唱えている人たちは、そのことを十分認識すべきでしょう。
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