暴れる沢と斜面崩落
先の休日に、タウシュベツの皆伐地の調査に出かけました。前回ここを訪れたのは8月中旬ですから2ヶ月ほどしか経っていないのですが、驚くほど様子が変わっていました。
まず、沢の様子です。今年は雨が多かったということもあるのでしょうけれど、沢の流れがガラリと変わっていました。おそらく雨のたびに、流れがあちこちに動いたのでしょう。皆伐地のあたりでは作業道上に何本もの流れができており、道そのものが川になっているところがありました。森林管理署の職員は、作業道をつける際に沢の流れは大きく変えていないとうそぶいていましたが、ちょっと雨が降っただけでこんなふうになってしまうのですから、沢を潰すようにして作業道をつくったことは明らかです。作業道が沢の流れを変えてしまったことで、沢沿いの風穴の斜面も崩落してきています。
皆伐地の下の縁には亀裂が入り、谷側にずり落ちてきています。縁に積み上げられた枝や切り株の山は、谷側にわずかに残された森林の中に部分的に崩れ落ちています。このまま斜面がずり落ちていけば、斜面に生えている木が倒れてしまう可能性があります。斜面を撹乱した皆伐によって斜面崩落が生じているのです。
皆伐地の入口の様子も違っていました。ここには面積、苗木の樹種や本数などが書かれた「育成天然林」の表示板があったのですが、それが奥の方に移動されていました。表示板が立っていたところが崩れてしまったのではないかと思われます。急斜面にブルドーザーを入れて岩屑をむき出しにしてしまったために、斜面崩落が進行しているのです。懸念していたことが現実になってきています。いじってはいけない沢であり、斜面だったということです。
« 根拠不明の治水対策で1600億円 | トップページ | 木の上に生えた木 »
「森林問題」カテゴリの記事
- 石狩川源流部の国有林違法伐採プレスリリースの考察(2011.10.17)
- 大雪山国立公園の石狩川源流部で驚くべき過剰伐採(2011.08.24)
- 越境伐採を隠ぺいした北海道森林管理局(2010.11.14)
- 石狩川源流部違法伐採合同調査での林野庁のおかしな説明(2010.10.18)
- 名前ばかりの「受光伐」(2010.09.26)


コメント