大規模林道中止か!
北海道の自然保護団体が長年にわたって反対してきた大規模林道(山のみち)という、税金の無駄遣いの典型ともいえる公共事業が中止になる公算が大きくなってきました。
今日の北海道新聞には、「道、事業継続は困難 中間報告 年明けにも中止決定」というタイトルで、ほぼ中止といえるスタンスの記事が掲載されました。一方、朝日新聞では、「大規模林道8割中止か 道方針事業化可能1区間」とのタイトルで、必要性や費用対効果などについて検討した結果、3路線7区間のうち6区間は中止となりそうだという内容で、道新より詳細な記事になっています。
朝日の記事によると、事業化の可能性のあるのは「平取・えりも線」の「静内・三石区間」だけとしています。しかも、この区間とて新ひだか町は「費用負担は困難」としている上、事業費は67億5700万円もかかる見込みだそうです。ここは一日の平均の交通量は2台とか・・・。こんな道路に税金を使うことに納得する人など利害関係者以外はいないでしょうね。それにしても、どうしてこの区間だけは費用に見合う効果が見込めるという結論になったのでしょうか。不思議、不思議・・・。
まだ本決まりではありませんが、中止の決定まであと一歩というところでしょうか。
一年くらい前に北海道に費用対効果について質問したところ、計算をしている最中だといっていたのですが、その数値はずっと公表されませんでした。林野庁はこれまで費用対効果はあると主張していたのですが、今回の北海道の試算によってそれは覆されたといえそうです。林野庁の試算がいかにいい加減なものだったかということがわかります。
北海道の大規模林道の進捗率は46パーセントで、すでに半分近くが建設され335億円を費やしたとのことですが、建設途中で中止に追い込まれた部分は「負の遺産」として立て札でも立てておくといいでしょう。「この国では、かつてこんな不要な道路を造って自然を破壊し、税金の無駄遣いをしました」という証拠として。
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