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2009/08/26

女性が元気な日本蜘蛛学会

 しばらく更新をお休みしてしまいましたが、仙台で開催された日本蜘蛛学会の大会での発表を兼ね、20日から28日までの予定で東北旅行に出かけていました。22日に学会発表を終え、23日には早池峰山に登ったのですが、下山して間もなく母が救急車で病院に運ばれたとの連絡が入り、急遽予定変更して24日に戻ってきました。そんなこんなでドタバタしており、コメントをいただいた方へのお返事も遅くなってしまいました。

 学会での発表は、昨年から調査をしていたイソコモリグモの分布に関するもので「北海道におけるイソコモリグモの生息実態」というタイトルです。実地調査による結果と、生息が可能な環境の分析、保護策の提示などについて発表しました。

 日本蜘蛛学会は会員数が270名弱の小さな学会ですが、今年の大会の参加者は70名ほどあり、なかなか盛況でした(といっても残念ながら私は初日の途中で抜け出してしまったので、参加者の皆さんとはあまりお話しできなかったのですが)。会員数に対する大会出席者の割合が非常に高い学会なのです。しかも、70名のうち16名が女性です。今回の講演数は22件でしたが、女性の発表者も4名ありました。クモはとりわけ女性に敬遠されがちなイメージがありますが、実は女性の愛好者も多いのです。昆虫などの学会のことは知りませんが、小動物を対象としている学会としては、女性の参加割合がとても高いのではないかと思います。

 また、蜘蛛学会といっても、クモ(真正クモ類)だけを対象としているわけではありません。ザトウムシやダニ、カニムシ、多足類(ヤスデやゲジゲジ)なども含まれています。今回もダニ、カニムシ、ザトウムシ、ヤスデなどの発表がありました。なんだかこのように書くと、いかにも「下手物好きの変人の集まり」だと思われそうですね。でもでも、そんなことはありません。ときどき観察や採集のために不審な行動をとることがあるものの、いたって普通のまじめな人たちです(といっても、私がそう言ったのでは信用してもらえないかもしれないですね!)

 クモの同好会のひとつに「東京蜘蛛談話会」というのがあります。学生の頃、大学の先輩に誘われて、東京蜘蛛談話会の関係する三会合同例会に参加したことがあります。三会というのは東京蜘蛛談話会と多足類懇談会、茶茶楽会(ササラダニの愛好会)のことです。その三会合同例会に行こうとして会場の場所がわからなくなり、駅前交番で公共施設に電話で当たってもらいました。お巡りさんから「どんな会合なの?」と聞かれ、「クモとかダニとかゲジゲジとかの研究発表の会合で・・・」と説明し、何とか会場を突き止めてそこに行く方法を教えてもらえました。若い女性二人がクモ、ダニ、ゲジゲジ・・・の研究発表会に参加というのですから、お巡りさんも「なに? クモ? ダニにゲジゲジ?」と、とても怪訝そうな顔をしていましたっけ。

 東京蜘蛛談話会のほかにも、中部蜘蛛懇談会、三重蜘蛛談話会、関西蜘蛛研究会などといった同好会があり、採集会や例会などが行われているのですが、日本には蜘蛛好きの女性の方も多いのです。

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クモ」カテゴリの記事

コメント

こんにちはw

初めまして、私は静岡の有田と申します。
ちょっとお聞きしたいのですが。。。
先日、仕事で山に行ってちょっと変わった蜘蛛を見つけました。
色々な図鑑やホームページを見たのですが、そのクモが載っていないもので・・・
色はオレンジ色で形はオニグモっぽい感じです。
てんとうむしのような感じで白い点々があり、おなかの横に黒い点が左右に二つずつあります。
しばらく生きていたのですが・・・
今は死んでしまいました。
今は薄いオレンジ色になってしまいました。
体長は5ミリくらいでしょうか・・
捕まえる時に、口から糸を出して伝っていたので蜘蛛に間違いないと思うのですがw
見たことありますでしょうか?
また、わかるようでしたら名前を教えていただけるとありがたいです。

有田成仁様

はじめまして。

オレンジ色のクモは色彩や斑紋の特徴から「アカイロトリノフンダマシ」で間違いないと思います。ご指摘のとおり、テントウムシに似ています。グーグルの画像検索で確認してみてください。

また、似た種に「サカグチトリノフンダマシ」がいますが、こちらは腹部側方の黒い点はありません。

初めてコメントさせていただきます。
こどもの自由研究でコガネグモの観察をしていますが。疑問が出てきたのですが、近くの博物館に聞いても、あまり詳しくない様子で、クモの質問のできるところをネットで探しまくり、ここにたどり着きました(^^ゞ。

観察していたコガネグモは7/23に我が家にあみをはり、8/2にタマゴをうみました。その間オスの姿はありませんでした。クモも無精卵てうみますか?
タマゴは3週間何の変化もありません。
ちなみに、ままグモは死んでしまいました。

きもとまもる様

こんにちは。

コガネグモの雄は雌よりずっと小さいので、交接のために雌の網を訪れても気がつかなかった可能性もあると思います。交接の際に雌が雄を食べてしまうこともあります。

また、クモは無精卵を産むこともあります。

コガネグモは産卵してから17~21日で孵化するとの報告があります。もう少し様子を見てください。孵化しなければ無精卵だったというこでしょう。

http://www.coara.or.jp/~ynakamra/kumo/koganegumo.html

松田まゆみ様
早々のご回答をありがとうございました。

質問させていただいた2日後に、子グモたちが誕生していました!(^^)!。
母グモが家に来てから、死んでしまったところまで観察していた子どもたち、家族みんなで新しい命の誕生をよろこび、命をつなぐ母グモの姿に感動しました。

その翌日はじっと一か所にとどまっていた子グモたちも、私たちが旅行に行っている間に旅立って行ってしまったようです。

自由研究、子ども以上にクモに夢中になってしまった私です。本当にありがとうございました。

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