イチゴ畑になった皆伐地
15・16日に、大雪山国立公園の幌加とタウシュベツの皆伐地に調査に入りました。
幌加の皆伐地はだいぶ緑色になってきていますが、皆伐地を覆っている植物はエゾイチゴやハンゴンソウ(黄色い花の植物)などです。とりわけエゾイチゴは旺盛に広がってきており、まるでイチゴ畑です。おそらく地下茎で広がっているのでしょう。外来種ではありませんが、開けた荒地などに生育する植物です。このまま放置すると、カンバやケヤマハンノキなどの種子が飛んできても芽を出すことができません。また植えたトドマツの苗も覆われて枯れてしまいます。そのために苗を植えたところは帯状に草刈がされていました。ところが、草刈によって、種が飛んできて芽生えたダケカンバやケヤマハンノキなどまで刈られているのです。これでは先駆樹種もなかなか定着できません。植林したトドマツの苗も、かなり枯れていました。
タウシュベツの皆伐地の下の沢沿いの斜面は風穴になっていて岩屑の隙間から冷風が吹き出てきます。ところが沢に作業道を造ったために、沢沿いの風穴地があちこちで崩落を起こしてしまいました。この写真の崩落地で地中の温度を測ったのですが、1.4度まで下がりました。この季節にもまだ地下に氷があるのでしょう。伐採はこんな自然破壊も招いているのです。
ここは洞爺丸台風のときにも風倒被害にあったところですが、風倒木を持ち出してあとは自然にまかせたために森林が回復していたところです。今回の風倒被害も同じような処置をしていれば、数十年で森林に戻っていたはずです。でも、こんな風にしてしまったら、森林に戻るには200年とか300年かかるのではないでしょうか。
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