開発建設部の治水説明会をめぐる怪
十勝自然保護協会では、十勝川の相生中島地区の水路掘削や然別川の河畔林伐採について北海道開発局帯広開発建設部に質問書を出していました。それに対応してのことでしょう、帯広開発建設部は7月6日に十勝川に関わる市民団体に治水事業説明会を開いたのです。ところが・・・その開催をめぐって不可解なことがいろいろありました。
まず、説明会の参加申し込みの締め切りの7月1日を過ぎても、十勝自然保護協会に案内が届かなかったのです。開発建設部の説明によると、ヤマト運輸のメール便で会の郵便私書箱宛に送付し戻ってきてしまったというのです。説明会の案内は6月24日付けになっているのに、7月2日に返送に気づいたというのはとても不自然です。しかも、開発建設部の治水課は十勝自然保護協会の事務局の住所を知っていて、同じ24日付けで住所宛に河畔林伐採の質問書への回答を送付していました。住所を知っていながら、なぜメール便では配達されない私書箱宛にしたのか? そもそも24日付けの書面をいつ発送したのか?
私は6日の治水事業説明会には参加できなかったのですが、参加した人からこんな話を聞きました。説明はスライドで行い、印刷した資料などは渡さなかったとのこと。また、質疑応答時間が短く、ほとんど質問できないまま現場視察の時間になってしまったそうです。たしか河畔林伐採の質問に対する回答では、この説明会に参加して欲しいということだったと思いますが、質問の時間もない説明会でどうしろというのでしょうか・・・。
視察したのは礼文内川で、ヤナギタウコギやタンチョウの保全について説明をしたそうです(これが治水事業の説明会?)。一行が到着すると現場にはコンサルタント会社の社員が待ち構えていて、参加者がツルの餌について質問すると、開発建設部の職員ではなくコンサルタントの社員が回答したとのこと。開発建設部と下請けのコンサルタントとの癒着が透けて見えます。
しかもそのコンサルタントの社員であり、某団体の代表として参加していた人物が、説明会の案内が29日に届いたことについて苦情を呈したとのことでした。この人物自身は、説明会の日程を29日以前に知る立場にあったと思われますが、他の参加者が苦情を言うまえに率先して苦情を言ったようです。他団体に29日に案内が届いたのなら、いったい何日に発送したのでしょう? 申し込み締め切りの2日前に届き、しかも平日の日中に開かれたわりには、ずいぶん参加者が多かったようですが・・・(道新の報道では12団体の約30人)。
ちなみに、帯広土木現業所(北海道の出先機関)でも市民団体に治水説明会を開催していますが、参加者には資料を配布しますし、平日の夕方に開催するなど仕事を持っている参加者に配慮しています。
案内を私書箱に送ったという件で、かつて環境省も同じようなことをしたことを思い出しました。会長が環境省の設置したある検討会の委員になっており、いつもは検討会の案内が会長宅に発送されていました。ところが、重要な議論が予定されている検討会のときに限って、なぜか案内が会の私書箱宛に送られたのです。しかも検討会の直前に。「手違い」で納得できることではありません。どうしてこんなことが起こるのでしょうね?? なお、この検討会では日程を決める際に委員の都合を聞いていたそうですが、会長の都合が悪い日にばかり開催されたそうです。
この治水説明会の案内に関する不可解な経緯については、以下を参照してください。
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