セブンイレブンの非道な商法
つい先日、賞味期限の近づいた弁当などの値引き販売を制限したことが、独占禁止法の優越的地位の乱用に当たるとし、公正取引委員会がセブンイレブンに排除措置命令を出したことが一斉に報道されました。
セブンイレブンの商法については週刊金曜日がその驚くべき悪質な実態について追求し、今も渡辺仁氏が「セブンイレブンの正体 鈴木敏文商法の『詐術』」として連載を掲載しています。他にも単行本が出ていますし、オーナーによって裁判も起こされています。JanJanなどインターネット上でもコンビニ関係の記事が掲載され、そのあくどい商法は知る人ぞ知るところとなっていたのです。今回、公取が調査に乗り出し排除命令を出したことでマスコミもようやく報道したのですが、大企業の違法行為を知りながら公取の決定がなければ何も記事にできないマスコミの、何とだらしのないことか。まあ、毎度のことですが・・・。
今回の報道では、食べ物を粗末に扱う大量廃棄がことさらに問題として取り上げられました。もちろんそれは当然のことでとんでもないことなのですが、食品廃棄の問題は、セブンイレブンの非道で悪質な手法に端を発しているのです。マスコミには、その本質に切り込んだ報道こそ求められます。
フランチャイズ方式のコンビニ商法では、一般的な会計方式とはまったく異なる特殊かつ異常な会計制度を取り入れています。廃棄が多ければ多いほどオーナーはリスクを負うのに対し、本部は利益が多くなる仕組みになっているので、本部はオーナーに対して大量の仕入れを求め、値引き販売を制限していたのです。このために多くのオーナーが食べられる食品の廃棄によって赤字に追い込まれるという大変な状態にありました。この会計システムについては、以下のJanJanの記事をお読みいただけたらと思います。
フランチャイズ・コンビニの裏側(1)売れ残り、万引き被害にも「チャージ」の怪
週刊金曜日の連載では、本部がオーナーを支配して売上金を徹底的に吸い上げ、本部は決して損をしないという騙しの手法を詳述していますが、読めば読むほど恐るべき会社の体質が伝わってきます。本部によるピンハネ疑惑、ドミナント(近隣地域への集中出店。個々のコンビニの利益は減るが、本部への収入は増える仕組み)による潰し、提訴したオーナーへの監視や嫌がらせ、暴力行為などなど。この会社の悪質なやり方は到底容認できるようなものではありません。優越的地位の乱用は、なにも弁当の値引き販売だけではなく、本部によるオーナー支配の全体を貫いているといえます。
本部がオーナーをひたすら食い物にするような非道な商法が永遠に続けられるとは思えませんが、それにしても公取の排除命令は遅かったとしか思えません。
以下、JanJanから関連記事をいくつか紹介します。
フランチャイズ・コンビニの裏側(2)本部が加盟店の「会計帳票」返さぬ怪
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