スズダケとウグイス
北海道で普通に見られるササは、チシマザサ、クマイザサ、ミヤコザサの3種ですが、これらは積雪深によっておおよそ分布が決まっています。雪の多いところはチシマザサ、少ないところはミヤコザサで、その中間がクマイザサです。
十勝地方はウグイスがとても少ないところなのですが、これは分布しているササの種類に関係しています。積雪の少ない十勝地方の平野部ではミヤコザサが普通です。ウグイスはふつう笹薮に巣をつくるのですが、ミヤコザサは茎の途中で枝分かれをしないので、ウグイスが巣をつくることができないのです。
ところで、上記の3種のササとは別にスズダケというササがあります。竹という名がついていますが笹の仲間で、本州では俗にシノダケともよばれる丈の高いササです。北海道では本州のように丈は高くならないのですが、太平洋岸に点々と分布しており、ミヤコザサと混生していることもあります。
先日でかけた釧路地方の太平洋沿岸にも、スズダケとミヤコザサがモザイク状に分布していました。スズダケ(写真)は真上にすっと伸び、葉の色も濃いので、遠くからでもそれとわかります。そして、スズダケのあるところには必ずといっていいくらいウグイスが鳴いているのです。ミヤコザサの群落が広がるところに行くと、ウグイスの声は聞かれません。
北海道の積雪がそれほど多くないところでウグイスが鳴いていたなら、スズダケがあるかもしれません。ススダケがどうして太平洋側だけに点々と分布しているのかは謎ですが、雪の多いところには分布できないようです。
« 昆布干し場の疑問 | トップページ | 畑のオオセグロカモメ »
コメント