削除要請とブログ運営会社の姿勢
私のブログ「鬼蜘蛛おばさんの疑問箱」が、記事の削除要請を受けてブログ運営会社によって非公開に設定されている問題に関連し、類似した事例での他社の対応を紹介します。
統一教会とその信者である弁護士に関する記事を書いた有田芳生さんは、ブログ運営会社であるNTTコミュニケーションズを通じて記事の削除要請を受けました。「信仰上のプライバシー権 名誉毀損」という理由だそうです。有田さんはこの要請には応えず、それどころか弁護士の実名を明らかにし、NTTコミュニケーションズから送られた配達記録を公表しました。そして、その後もこの問題について同ブログで記事を書いています。
削除要請を受けた記事
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2008/09/post_2876.html
削除問題を取り上げた記事
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2008/10/post_4c9c.html
ブログ運営会社はそれらの記事を強制的に削除することもせず、また非公開にもしていません。
同じく、統一教会とこの弁護士についてブログに書いた山口貴士弁護士も、ブログ運営会社であるニフティを通じて同様の通知を受けました。山口弁護士も、もちろんそのような要求に応じることなく、「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」をブログで公開しました。
削除要請を受けた記事
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2008/10/post-2743.html
削除問題を取り上げた記事
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2008/11/post-0542-1.html
ブログ運営会社であるニフティの対応は、あくまでも当事者同士での解決というスタンスのようです。記事の削除や修正要請をしたわけではないようですし、非公開にもしていません。
このような対応が、ブログという言論の場を提供している運営会社としてのまっとうな姿勢ではないでしょうか。
有田氏や山口弁護士の事例は「信仰上のプライバシー権、名誉毀損」という理由であり、ブログ運営会社は通報者からの書面を送付しています。しかし私の場合は通報者からメールで削除依頼があったとのことが知らされているだけで、その文面も知らされていません。しかも名誉毀損ではなく「不快感や精神的な損害を与える行為」とのことであり、その具体的箇所や理由も明らかにされていません。
現時点ではブログ運営会社から「通報者様からは該当する22件の記事の削除を要請されておりますが、弊社としましては記事全体ではなく、問題箇所を修正・削除頂くことでの再公開をしたいと考えております。この部分で、利用規約だけでは判断することができない点がございますために、顧問弁護士の判断を参考に、適正な判断をさせて頂きたいと考えております」との意向を伝えられています。「利用規約だけでは判断することができない点」とはいったいどういうことでしょうか?
利用規約に書かれていないことを持ち出してブログを強制的に非公開にしているのであり、NTTやニフティとは全く異なる高圧的な対応です。どう考えても、行き過ぎた検閲行為であり言論の自由の侵害でしょう。チャンネル北国tv(ジェイ・ライン株式会社)の「言論の自由」に対する意識や姿勢が問われる問題だと思います。
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