人類はどうなるのか?
昨日の記事に書いたように、18日の講演会では大雪山国立公園の高山帯で植生に大きな異変が起こっているという大変ショッキングな話を聞きました。その日の夜に放送されたNHKスペシャル「女と男」の第三弾「男が消える?」も、何ともショッキングな内容でした。予告でタイトルを見たときは環境ホルモンの話かと思ったのですが、それよりももっと本質的なことでした。
このシリーズは一回目から興味深く見ていましたが、一番気になったのはこの第三弾。男性しかもっていないY染色体がどんどん小さくなっており、やがては消滅する運命にあるというのです。女性の場合は二本のX染色体をもっているので、染色体に異常が生じても修復することができるのに対し、一本しかないY染色体の場合は修復ができないために異常が生じた部分が欠落することで小さくなってきており、やがては消滅してしまうといいます。
生物の基本形は雌だということはもちろん知っていましたが、Y染色体にこんなことが隠されているとは考えたこともありませんでした。
また精子の数が減ってきているほか、活発に動きまわらない精子や異常のある精子が増えているという北欧の事例が紹介され、不妊の増加が懸念されるとのこと。人の精子が活発ではないのは、一夫一婦制によって精子の競争がなくなったからではないかとのこと。人工授精のことにまで言及されていましたが、もちろん人工授精に頼っていったら精子の劣化はさらに加速するでしょうし、そのような方法は到底賛同できません。この問題はちょっと深刻そうです。
さて、シリーズの一回目と二回目では、女と男の違いがいろいろ紹介されていました。どうやらなんとなく感じていた以上に男女ではいろいろな差がありそうです。
男女平等、男女共同参画などということが当たり前の社会(とはいっても細かいところではまだまだ格差が大きい)になりましたし、そのこと自体に異を唱えるつもりはありませんが、しかし生物としての役割分担とか適正というものは男女によって違うはずです。以前から感じていたことですが、すべてのことにおいて男女で同じであることがいいとも思いません。性差や個性を尊重した役割分担があってもいいのでしょう。
女性はあくまでも子どもを産み育てる性です。かつては男性が狩猟、女性が採集・育児と役割分担をしていたのも、女性が子孫を残すという生物として最も大切な役割を担う性だからでしょう。狩猟を担っていた男性は、やはり本能的に闘争心とか独占欲が強いのかもしれません。女性が一般的に戦いを好まないのも、子どもを産み育てる性だからではないでしょうか。
ならば、女性がもっと政治に参加することでより平和的な社会が実現できるのではないかと思います。少し前に比べたら、NGO活動に参加する女性の数はずっと増えてきたと思うのですが、女性の政治家はなかなか増えません。日本の女性は社会に関わったり自分の意見を主張することに消極的な人が多いようですが、社会を変えていく鍵は女性の意識にあるのかもしれません。
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