大規模林道の行方
9日の毎日新聞北海道版に、「どうする3路線」として、北海道の大規模林道のことが大きく掲載されました。
国の補助金が80パーセントであるものの、道有林の割合が高い「平取・えりも線」では、北海道に受益者負担が生じます。また、完成した道路は地元の市町村に移管されるため、地元では維持管理費が生じることになるのです。
もろい地質のところに造られるのですから、大雨などで法面や路肩の崩壊があるのは目に見えています。何しろ、工事中から崩壊が発生していたのですから、移管された市町村は維持管理費にあえぐことになるのではないでしょうか。
動植物調査も杜撰なうえに、費用対効果の根拠も不明。北海道は一年をかけて調査をするといっていたのですが・・・。
北海道は10月の7日から10日にかけて、3路線の地元の7市町村で住民との意見交換会を開きました。会場によっては、地域の住民のほかに見るからに建設業界の関係者と思われる作業服姿の方たちも参加されていたようです。とりわけ、「平取・えりも線」では、業界関係者と思われる方の賛成意見が多かったようですが、直接の利害関係者が賛成意見を述べるというのも・・・。
もっとも地域住民の方は必要性などに疑問を抱いている人も多かったとのこと。反対意見も活発に出されたようです。ただ気になるのは、一般の道民には大規模林道の問題点が広く知れ渡っていないと思われる点です。すでに開通しているところも車はまばらで、自然への影響だけではなく必要性そのものが問われます。
北海道は来年の2月までに方針をまとめる予定とのこと。道財政は大赤字なのです。無駄な公共事業こそ真っ先に見直さなければなりません。一部の利害関係者の声に押されることのないよう、公平な判断をしてほしいと思います。
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