呆れた橋下知事
光市の母子殺害事件で、被告の少年の弁護団に対しテレビで懲戒請求を呼びかけた橋下徹大阪府知事に、広島地裁は賠償命令を出しましたね。当然の判決だと思います。
私はテレビをほとんど見ないので、問題となった放送も見なかったのですが、タレント弁護士の発言がどれだけ影響力を持っているのか、橋下氏は自覚すべきでしょう。
そもそも懲戒請求などというのは安易にやるべきことではないと思うのですが、テレビで一般の視聴者に対して呼びかけてしまうなどというなどというのはあまりにも軽率です。自分が弁護団の立場で、他の弁護士がテレビでそのような発言をしたらどうなるかという視点がまったく欠落しているとしか思えません。橋下弁護士の方こそ懲戒請求をされても不思議ではないくらいです。
呆れたのは、橋下知事が弁護団に迷惑をかけたことを謝罪し、法律の解釈、表現の自由の考え方を間違えたと認めたにも関らず、三審制なので控訴するという姿勢です。謝罪の言葉は何なのかと疑いたくなります。弁護士という立場でありながら一審では出廷もしなかったそうですが、いったい彼は何が不服で控訴するのでしょう? 首をひねってしまいます。
それと同時に疑問に思ったのは、橋下氏の言葉につられて懲戒請求した人の多さです。新聞報道によると各地の十弁護士会に少なくとも約8千3百件の懲戒請求が出されたとのことですが、この人たちは自分自身できちんと弁護団のことを調べ、本当に弁護団の活動が不適切だと判断しての行動だったのでしょうか?
人気のあるタレント弁護士の発言につられてしまった人が大半なのではないでしょうか? 自分自身の判断はどうなのか、自分の安易な行動がどれほどの迷惑をかけたのか、考えてみたのでしょうか?
テレビでバナナのダイエット法が紹介されたら店頭からバナナがなくなったそうですが、こうしたニュースを聞くにつけ、いかに多くの人がテレビの情報につられてしまうかがわかります。
マスメディアの情報に引きずられて右往左往している日本人の、なんと情けなく恥ずかしいことか。
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