本もついにここまで…
小田光雄さんの「出版状況クロニクル」が更新されましたが、例の文芸社の血液型本についての感想が書かれています。
一部をちょっと引用させていただくと
「…まさにブログ本のような造りで、内容は本にふさわしくなく、上製のパンフレットの感がある。著者名はJamais Jamaisと表記されているが、正体は不明だ。郊外化とは均一的なジャンク化を伴って進行するというのが私見だが、本もついにここまできてしまったのかと思う。すでにリテラシーが解体されてしまったことをこれらのベストセラー化は告げているのだろう。…」
私も書店で平積みになっているこの本を手にとってめくったことがありますが、ほぼ同感ですね。版元が違う出版社であっても、とうてい買う気にはなれない本でした。なぜこのようなタイプの本がベストセラーになるのかと思うと、不思議で仕方ありません。
もっとも版元にとっては、本の内容にはこだわりはないのではないのでしょうか。要するに売れればいいのです。会社の宣伝になりますからね。素人の書いた本でもベストセラーになることがあると。
でも、「本もついにここまできてしまったのか」と実感させられるレベルの本が、ベストセラーとして新聞やテレビで盛んに宣伝されているのを見ると、なんだか出版社のレベルというか、この国のリテラシーのなさを宣伝しているようで、見ている側が恥ずかしくなってきます。
大手商業出版社であれば、まず出版しない本では…。
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