川辺川ダムはいらない
昨日、熊本県の蒲島知事が川辺川ダムの反対の意思表示をし、白紙撤回を求めました。
ダムが計画されたのが1966年。昨年には農民が起こした利水訴訟で国が敗訴し、農水省が利水事業からの撤退を表明しました。さらに電源開発も撤退を表明し、当初の多目的ダムは治水しか目的がなくなっていたのです。
その治水に対して知事が「ダムによらない治水」を選択したことは、高く評価されます。これまで無駄なダム建設を止めさせようと闘ってきた地元の人々の行動と思いが通じたのでしょう。
私の手元に「川辺川ダムはいらん!」(川辺川ダム問題ブックレット編集委員会編、花伝社)というブックレットがあります。ここに川辺川ダムの問題点と地域住民の考えた治水対策が紹介されています。
40年以上も前のダム計画が頓挫している背景には、こうした住民の声をきちんと受け止めることなしに事業を強行しようとしてきた国の姿勢があります。声を上げ続けてきた住民の意見、国民の意見こそ尊重されるべきでしょう。何と言っても国民の税金が使われるのですから。
総事業費が3千億円を超えるといわれ、無駄な公共事業として批判を浴びてきた川辺川ダムですが、今回の知事の決断によって国は見直しをせざるを得なくなったといえるでしょう。
もっとも知事が反対を表明したところで、法的な拘束力があるわけではありません。今後の国の判断を注視していかねばなりませんね。
日本でダム建設を止めさせるのは容易なことではありません。北海道でも当別ダム、サンルダム、平取ダムなどが無駄な公共事業であるとして反対の声が上がっています。ところが高橋はるみ知事は、当別ダムの本体工事の入札で、指名停止業者を参加させるという驚くべき判断をして批判を浴びました。
高橋知事は、いまだにダム建設に意欲的のようですが、無駄な公共事業を見直さないどころか建設を急ぐようでは、道民の信頼は得られなくなるばかりではないでしょうか。
川辺川ダムについては、以下に紹介されている記事が大変参考になります。
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