著者だけの責任?
文芸社の商法に疑問を抱いている方は沢山います。たとえば以下のような質問。
持ち込み原稿を無料出版するという文芸社は実際は詐欺まがいですか?
この質問に回答しているsoupdoggさんという方の意見は、著者が勘違い(錯誤)するのが悪いのだとし、錯誤させている側の行為は正当化しているようです。そして事業者名を出して「詐欺まがい」などとは言うな、と脅しているかのように感じます。
「魑魅魍魎の共同出版批判者」でも言及した柴田晴廣氏も、著作権法を理解して契約しない著者に責任があるという意見のようですから、著者にばかり責任を押しつけるという点では、この方と共通していますね。
でも、錯誤させるというのは要するに騙すということです。そして民法では他人を錯誤に陥れることを詐欺といい、重要な部分で錯誤があったなら無効を主張できるのです。ただし、騙された側が著しく注意を怠っていた場合は無効を主張できません。
著作権法を理解していないことが著しく注意を怠っていたなどということにはならないはずです。ごく常識的なことなら兎も角、一般の人は著作権法など詳しく理解していないのが普通ですから。
soupdoggさんは「校正費用にべらぼうな金額がかかるとか、製本後の書籍の在庫管理費が法外に高いとかかも知れません」と、質問者が聞いてもいない具体的なことを持ち出していますが、ずいぶん詳しいようですね。費用が法外に高いこと自体は詐欺とはいえないでしょうけれど、悪質ではないでしょうか。お年寄りなどに法外な値段の布団を販売する商法なども、悪質商法ですから。
「騙される著者が悪い」といわんばかりの意見というのは、いかにも業者が主張しそうです。soupdoggさんの回答も、なんだか業者の代弁者のように感じてしまいました。
ご存知の方も多いと思いますが、文芸社についてはこんな掲示板もあります。ここにも著者の責任ばかり主張される方がいるようです。
http://sakka.org/opinion/thread/index.cgi?mode=view&no=515
でも「騙されるのが悪い」では、安心して日常生活も送れませんよね。
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