クモを食べるクモ
クモは動物食で、主として昆虫などを食べているのですが、時にはクモを食べてしまうこともあります。おなじ仲間を食べてしまうなんて残酷!と思う方がいるかもしれませんが、トンボが小さな虫を食べるのと同じです。
でも、ちょっと違うのは、時として自分より大きな獲物を捕ることができることでしょうか。クモは毒を使ったり網(糸)を使うことで、自分の体より大きな餌を手にすることを可能にしました。
あまりいい写真ではないのですが、これはムナボシヒメグモ(ヒメグモ科)がワカバグモ(カニグモ科)の幼体を捕えているところです(緑色のクモがワカバグモ)。ムナボシヒメグモはヒメグモ科、サラグモ科、コガネグモ科などのクモの網に侵入してその網の主を食べてしまうことで知られています。ヒメグモ科のクモの中には、クモを専門に襲って食べるものが何種かいます。
ところで、捕まってしまったワカバグモは網を張るクモではありません。葉の陰などに潜んでいて、近づいてくる昆虫を待ち伏せしているクモです。捕まえた瞬間を見たわけではないのでどうやって捕まえたのかわかりませんが、こんなふうに自分より大きなクモでも捕まえて食べてしまうことがあります。
こちらは、コガネエビグモ(エビグモ科)がムツボシオニグモ(コガネグモ科)の幼体(褐色の脚しか見えませんが)を捕まえて食べているところです(この写真もピンボケですが・・・)。コガネエビグモは網を張りませんが、ムツボシオニグモは葉の間などに小さな円網を張ります。近くにムツボシオニグモの網が見当たりませんでしたので、網を張っていないときに襲われてしまったのでしょうか。
私はエビグモ科のクモがヒメグモ科やサラグモ科のクモの網に侵入しているところを見たことがあり、どうして徘徊性のクモが他人(他クモ)の網にいるのかと大変不思議に思ったことがあります。でも、あとから網の主を食べるために侵入したのでは?と思い当りました。ヒメグモ科やサラグモ科の網には、オニグモの円網のような粘着性はありませんから、網を張らないクモでもそれほど糸に脚をとられずに歩くことができるのかもしれません。
クモの体はたんぱく質のかたまりですから、クモにとってもとても良質なごちそうのはずです。クモを食べるクモがいても不思議ではありません。でも、クモを食べようとして逆に食べられてしまったなどということもあるかも知れませんね。
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