温暖化懐疑論と反論
「温暖化への異論は信用できるのか?」でも触れましたが、二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化を支持する科学者と、それに異論を唱える懐疑論者が対立しているようです。
北海道新聞では6月28日から30日にかけて「環境問題 もう一つの真実」とのタイトルで温暖化の人為的要因に対する懐疑論や対策への批判、影響についての異論などが紹介されました。
一方で、7月7日の同紙は6月25日に北大で開催された「地球温暖化-科学者からのメッセージ」というシンポジウムを紹介しています。この記事では、温暖化懐疑論に対して「太陽の活動は活発になっておらず、温室効果ガス以外に要因が見当たらない」(米海洋大気局のスーザン・ソロモン博士)という意見や、「懐疑論の科学者がいるなら『出てこい』と言いたい」(東大気候システムセンター長の中島映至氏)という発言を取り上げており、温室効果ガスの増加が温暖化をもたらしていることを前提に討論が進められたようです。
ところが、翌8日には「衛星データ、見えぬ兆候」と題し、米航空宇宙局のデータに基づいて地球寒冷化の兆候について取り上げ、地球温暖化論への異議を唱える見解を掲載しました。
こうなると科学者たちの熾烈なバトルが繰り広げられているのが現実のようです。気になるのは、それぞれの意見にお互いがきちんと反論できているのかということです。
懐疑論に執着している人がいる一方で、これまで出されている懐疑論にことごとく反論している論説もあります。
懐疑論者はこれに対してきちんと反論できているのでしょうか? 反論にきちんと反論できなければ説得力を欠いてしまうことになります。
研究の進展とともに、今までわからなかったことが明らかになってきます。温暖化やその要因についても同様でしょう。新たに明らかになったことを加えて問題点を整理していく必要がありますが、意見がきちんと整理されないままそれぞれの主張が一人歩きしているように感じてしまいます。
科学者たちが勝手に自説を主張しているだけでは、市民は困惑するばかりです。それに加え、メディアの報じ方によって多くの市民が左右されてしまうのが現実なのではないでしょうか。
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