スピリチュアルと共同出版
昨日のNHK「クローズアップ現代」は、「過熱・スピリチュアルブーム」でした。かつては若い人たちに人気のあった占いが今は30代や40代の人たちにまで広がっていて、悪質な業者に大金をつぎ込んでしまった被害者も多いとか・・・。
現状に行き詰ったり不安を抱えている人たちに安心感や希望を与えるというのですが、効果があるとは到底思えない占いなどに高額な費用を請求する騙しともいえる商法がまかり通っているのです。孤独感や不安感を利用した詐欺的商法でしょう。
占いほどバカバカしいものはないと思っている私にとっては、こういう世界を信じ込んでしまう人たちが多い、というか増えている現象に寒気を覚えてしまいます。経験の少ない若者だけではなく、いい年をした大人までが霊的なものに頼ってしまう・・・。これだけ科学が発達した現代社会で。
そうした背景には、誰にも不安や悩みを相談できない人間関係やそれを生み出した病んだ社会の姿が映し出されているようです。
大槻義彦さんは江原啓之氏を批判していますが、当然でしょうね。
http://www.j-cast.com/2008/02/10016502.html
で、この番組を見ていて思い出したのが、血液型の本です。なにやら文芸社の「B型自分の説明書」がずいぶん売れているようですけれど、いまだに血液型と性格の相関性を信じている人、あるいは信じたい人、興味がある人がいかに大勢いるかということでしょう。血液型ってそんなに面白いんでしょうか? 私には「それがどうしたの?」としか思えないんですけれど。
「『B型自分の説明書』、買っているのはどんな人たち?」によると、はじめは共同出版(流通出版)で1000部の出版だったようです。こんな風に共同出版本がヒットすると、「共同出版でもヒットするチャンスがある」という文芸社の宣伝になるのでしょうね。「A型」とか「AB型」の本も出版され、文芸社にとっては追い風でしょう。
作品をそれなりに評価し、もしかしたらヒットするかもしれないという期待感を抱かせて流通出版に勧誘する手法もスピリチュアルに似ているように思います。でも、著者に請求した費用について何ら説明できない会社なんですけどね。印税タイプは倉庫保管料も販売の費用も文芸社持ちということなのですが、信じられますか? 文芸社が自社の商品を発行して売上金も得る契約なのに、出版委託金?販売委託金? 協力金とか分担金というべきでしょうに・・・。
草思社の支援や血液型本のヒットで文芸社の社名は広まったかもしれませんが、被害者が出ないことを願いたいですね。
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