厚顔無恥なラリー主催者
十勝から道央圏に移った世界ラリー選手権ですが、今年は札幌ドームをメイン会場にして開催するそうです。
その主催者から自然保護団体に「ラリージャパン2008大会トライアルコース選定にあたっての情報提供に関するお願い」という文書が送られてきました。クマゲラ、クマタカ、オオタカの3種の情報を教えて欲しいとか!
主催者は「環境に配慮したラリー」を謳いながら絶滅危惧種の生息地でラリーを強行し、自然保護団体の要請や抗議を無視しつづけてきたのです。環境調査報告書の提出を求めてもまったく応じませんでした。なんと厚顔無恥な・・・。
しかも、昨年までは主催者はHPでコースの地図も掲載していたのに、今年からは関係者しかアクセスできないようになっているではありませんか。
地元の自然保護団体としてずっと声をあげ続けてきた十勝自然保護協会は、主催者に申入れ書を送りました。
こんな主催者に対して、文書を送っている団体はほかにもあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/soso6549/42510580.html
洞爺湖サミットを目前に環境問題がクローズアップされている中で、流れに逆行するラリーは歓迎されるのでしょうか?
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世界ラリー選手権「ラリージャパン」の早期の終焉を望む申し入れ書!
2008年4月21日付けで当協会宛に、ラリージャパン2008大会トライアルコース選定にあたっての情報提供に関するお願い、として貴殿から文書が送られてきました。
その内容は、道央圏で予定しているラリーコースでクマゲラ、クマタカ、オオタカの情報を教て欲しい、コース選定の判断にしたいというものでした。
私たちは環境を大切にする「ラリージャパン」というあなた方の当初の意向を尊重し、事前の環境調査報告書や競技の前後に行った調査を公表するということの誠実な履行を求めて、あなた方に、幾度も文書を送り電話連絡をいたしましたが、それらに一度たりとも答えることはしませんでした。
ラリーの自然環境への影響についても、WRCパリ本部の回答は一過性のものであるというものでした。しかし、一過性であるということを科学的に証明もしませんでした。
あなた方の組織は、とても信用することができません。林道で行われるラリー競技は、生態多様性の維持、保全に逆行するものです。私たちは、地球環境保全、生態系の保全を破壊するだけのものであるという観点から林道を使用するラリーには反対をしてきましたし、これからも反対していきます。
十勝における林道使用のラリーには、北海道自然保護連合も私たちと共同で中止するよう求めてきました。あなた方の文書は、北海道自然保護連合に加盟する北海道自然保護協会と大雪と石狩の自然を守る会の二団体にも情報の提供を求めています。厚顔無恥と言わざるをえません。これら二団体とも私たちと共同であなた方に文書を何度もお送りしているのに、あなた方は一度たりとも誠意ある対応をしませんでした。
あなた方の組織は人々に信用されるはずがありません。したがって、あなた方が組織し実行している世界ラリー選手権なるものは、早晩地球上のどこであろうと受け入れられなくなるでしょう。
北海道の森林は元来、どこであろうと多様な生物の宝庫でした。林道は自動車競技とは相容れません。ガソリン車による林道のラリーは撤退するべきです。勇気ある決断をされるようお勧めいたします。
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