サロマ湖のイソコモリグモ
昨年から、イソコモリグモが生息していそうなところに行くたびに海岸に行って穴を探しているのですが、サロマ湖あたりは地図で見ただけでいそうな感じのところです。そこで、先週はサロマ湖にイソコモリグモ調査に出かけました。
予想通り、オホーツク海と湖を隔てている砂州はイソちゃんの生息地になっていました。とりわけ西側(湧別町)の竜宮台のキャンプ場では、テントサイトにまで生息しているのです。巣穴の上にテントが張られてしまうなんてこともあり得ます。もっともこのキャンプ場、夏の一ヶ月間しか開いていないようですが。
竜宮台から砂州の先端まで、ハマエンドウの花を見ながらルンルン気分で歩いていったのですが、陽が高くなるにつれだんだん暑くなって・・・、帰りは砂浜を見つめながらフラフラと駐車場にたどり着いた次第。
日本海側の石狩川河口や天塩川河口一帯の生息地は砂浜に砂丘が迫っていて、生息域の幅が狭いのに対し、ここの砂州の先端部は幅が広くて良好な生息地になっています。ただし、湖の端のあたりでは護岸工事が行われていて、生息は確認できませんでした。海岸段丘の崖にはショウドウツバメの巣穴があるのですが、護岸工事はそのすぐ近くまで迫っています。このままでは壊されてしまいそうです。
東側(常呂町)の砂州は原生花園として保護されているため、2箇所しか行けませんでしたが、イソちゃんはこちらにも生息していました。サロマ湖一帯は、北海道でもかなり大きな生息地といえそうです。
このあたりも海岸浸食が深刻のようで、砂州は少しずつ狭まってきているようです。浸食を防ぐために工事が行われたら、生息地はかなり影響を受けてしまうでしょう。
浸食防止のための護岸工事などで、自然の海岸線がどんどんなくなっています。この先、温暖化で海水面が上昇したら、海浜を生活の場とする生物たちは絶滅の危機に見舞われることになるのではないでしょうか?
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