皆伐で沢に異変?
昨日は、28日のシンポジウムで講演する海外ゲストと自然保護団体のメンバーで、大雪山国立公園の幌加とタウシュベツの皆伐地の視察に行きました。
海外ゲストの生態学者の方は皆さん、生態系全体を破壊する皆伐が国立公園の中で行われていることに大変驚いていました。とりわけ表土が全面的に剥ぎ取られたタウシュベツの光景には唖然としていました。
アメリカでもかつては酷い伐採があったそうですが、市民から批判されて今ではかなり改善されてきているとのこと。もちろん国立公園の中では、風倒木が発生しても基本的にはそのままにするそうです。
木材生産面でも、公益的機能の保全という側面から考えても、持続的な森林管理が大前提とのことです。考えてみれば当然のことですね。
タウシュベツでは前回には気付かなかった変化がありました。沢底の岩に藻類が付着しているのです。特に皆伐地近くで著しく、直射日光のあたるところでは岩にびっしり藻がついています。山の中の小さな沢でこのような藻が発生している光景は見たことがありません。異変といえる状況だと思います。
原因ははっきりとはわかりませんが、伐採による水温の上昇や水質の変化などが考えられます。沢の生態系まで破壊され深刻な事態になってきています。
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