北欧の芝生文化
北欧に行くと、教会、公園、キャンパスなどいたるところに青々と芝生が広がっていて、人々が寝転がったり読書をしたり・・・。まだ5月だというのに、天気が良くて暖かいと半そでやキャミソール姿で日光浴をしている人もいます。
ヨーテボリの植物園では広大な芝生があって、来園者があちこちで座り込んでいました。芝生でくつろぐというスタイルが定着しているんですね。日本では「芝生の中に入らないでください」なんて書かれているところもありますが、北欧の人たちにとってはそんな注意書きは理解不能でしょう。芝生は人がくつろぐところなのです。
公園などでは必ずといっていいほどベンチがありますが、これも戸外でくつろくという習慣によるのでしょう。なにしろ冬は日照時間が少ないのですから、日が長いときはできるだけ戸外で日光浴をしたいようです。
その芝生の多さ、広さを見てついつい「管理が大変だろうな・・・」と余計な心配をしてしまいました。だって、北海道では夏になるとあちこちの芝生で刈り払い機がうなりをたてていますから。暑い最中にあの音を聞かされるのにはちょっと閉口します。
と思っていたら、芝刈りをしていました。小回りのきく芝刈り車がすごい勢いで芝を刈っていきます。なるほど、これなら芝刈りもそれほど大変な仕事ではないでしょう。それに、雨が少なくて乾燥しているので、芝の生長も日本より遅いのかもしれません。
ヨーロッパの夏は雨が少なくて本当に乾燥しています。西洋芝はもともと雨が少なくて乾燥した気候に適応している植物なのです。いたるところに芝生があるのも、手入れが簡単で美しいからなのでしょう。
北海道でもあちこちで広大な芝生がつくられていますが、雨の多い日本では西洋芝は適しているとはいえません。春先など「雪腐れ病」で枯れていることもしばしばです。管理が悪いと雑草もどんどん侵入してきます。
日本のゴルフ場ではきれいな芝生を保つために大量の農薬を使い、土壌を汚染しています。とりわけグリーンなどは砂などを使って水はけを良くしているのですが、雨水といっしょに農薬も流されてしまうので河川などの汚染につながっています。ゴルフ場の芝の管理が大変なのは、気候に合わない植物をつかっているからなのです。雨の多い日本にゴルフ場をつくるのはミスマッチといえます。
ヨーロッパでは芝生の光景がとても美しいのですが、それは気候にマッチしているからでもあるのです。日本ではあまり西洋芝にこだわらないほうがいいのでしょう。
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