観光ギツネ
この写真はとある展望台の駐車場で、車がくるのを待っている「観光ギツネ」です。
「観光ギツネ」とは、道路や駐車場などに出没して、観光客から餌をおねだりするキツネのことです。以前はあちこちでこのようなキツネを見つけました。中には車がくると道路の真ん中に寝そべってしまうものもいました。車をストップさせようというわけです。繁殖期が終ると、家族連れの「観光ギツネ」が現れることも・・・。
「観光ギツネ」は、車が止まるとノコノコやってきて、物欲しげに車内の人を窺います。そのしぐさがとてもかわいいのです。でも、食べ物を与えてしまうのは禁物。物欲しげな顔をしてこちらを見るのですが、心を鬼にして何もあげません。
とりわけ道外からの観光客はキタキツネが珍しいとあって、ついつい餌をあげてしまうのですね。でも、「キツネに餌をあげないで」という呼びかけもあって、最近では餌をあげる人も、このようなキツネも減ってきたようです。
キタキツネの場合はエキノコックスの感染に関ってきますので、みだりに近づかないようにすべきなのですが、逆に人が野生動物に病気をもたらしてしまう危険性もあります。
大雪山などではシマリスがよく登山者から餌をもらっていますが、野性動物のためにも人の食べ物を摂取したり、人間に依存してしまうのは良いことではありません。写真撮影のために餌を置く人もいますが、そこまでして撮影すべきでしょうか? 野生動物への影響やマナーを考えて欲しいですね。
自然状態での採餌が困難になってしまった(人間がそうしてしまったのですが)シマフクロウやタンチョウなどの場合は給餌もやむを得ませんが、そのような特別の事情がない野生動物への餌付けは基本的にはやめるべきでしょう。
« 国立公園と自衛隊の演習場 | トップページ | 樹液と野鳥 »
「哺乳類」カテゴリの記事
- エゾタヌキ(2023.12.23)
- ヒグマ(2023.11.30)
- チョウセンゴヨウと動物たち(2015.11.17)
- オニグルミの不作とエゾリス(2015.11.10)
- 然別湖畔でヒグマに遭遇(2013.07.02)
コメント