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2007/11/02

クマの木

Kumanoki  北海道も晩秋となり、落葉が降り積もる季節です。そんななか、置戸町の中山風穴というところに行ってきました。岩塊地があって風穴となっており、ナキウサギも生息しているところです。

 何年か前に知人が行ったとき、道に真新しいヒグマの糞があったと聞いていたので、クマ撃退用のトウガラシスプレーも持って行きました。

 林道を少し登ったところで見つけたのは、ヒグマの爪跡がたくさんつけられ、樹皮が剥がされたトドマツの木。その少し先にも、同様の木があります。気をつけて見ていくと、爪跡や咬み跡のついた木があちこちにあるのです。そして、道にはクマの糞が・・・。

 爪あとがついた木はときどき見かけますが、これらの木は爪あとだけではなく、樹皮を咬んで大きく剥ぎ取っているのです。こんなふうに樹皮を剥いでいるのははじめて見ました。「これはすごい!」と思うと同時に、なんだかすぐ近くにクマがいるような気がしてきます。

 ヒグマが木の幹に爪跡や咬み跡をつけることは良く知られていて、「クマの木」と呼ばれています。そのような木は目立つところに多く、クマが木を咬んだり爪で引っかいたり、体をこすりつけて匂いをつけることで、優位な雄が存在を誇示すると考えられています。つまり、侵入してくる他の雄グマに対して、自分の存在をアピールするのです。

 こんなにたくさんの「クマの木」があるということは、どうやらかなり大きなクマのなわばりの中にいるということです! 秋は木の実などを求めてヒグマが人里近くに下りてくる季節です。しかも今年はヒグマの餌となるどんぐりが不なり年。暖かくて絶好の散歩日よりなのに、ついついクマの気配はないかと、あたりをキョロキョロ見回しながら歩くはめになりました。

 北海道では、森の中に入ったら、ヒグマの糞や足跡、爪跡、蟻塚を掘り起こした跡などをしばしば見かけます。でも、実物にはそう簡単にお目にかかれません。私も野生のクマを見たのは2回だけです。クマさんの方が、人の気配を察して避けているのでしょうね。

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