これが国民年金の未納者対策?
先日のことです。家族の国民年金のことで電話がありました。電話をかけてきたのは社会保険事務所ではなく、オリエントコーポレーションの人です。以前はたしか社会保険事務所の方が直接電話してきていたのです。「あれれ、なんでオリコから国民年金の電話があるのだろう?」と思い、社会保険事務所に電話して聞いてみました。
すると、オリコに未納者への納付の確認などの業務を委託しているというのです。これは知りませんでした。加入者が知らないうちに、オリコに年金に関する個人情報が知らされているわけですし、「何でクレジット会社に?」と、何やら違和感を持ちました。なぜ、国がこのような業務を外部に委託するのでしょうか? それで、ちょっと調べてみると、税金や国民年金、水道料金などのクレジット決済を推進するための「公金クレジット決済協議会」という組織があるのですね。クレジットカード業界団体が、公金のクレジットカード決済の導入を政府に求めているのですが、オリコもこの組織に加入しています。そして、すでに一部の地方自治体では公金のクレジット決済が導入されているとのこと。
公金のクレジット決済? 現在の支払方法ではなにか問題があるのでしょうか? どれだけの国民がクレジット決済を望んでいるのでしょうか? それとも未納者対策でしょうか? そういう動きをほとんど知らされないまま、年金未納者への対応がオリコに業務委託されたことに疑問を感じたのです。
私は生活協同組合の組合員なのですが、生協では数年前に購入代金の決済をクレジット会社に委託しました。その理由のひとつに、未払いによる損失の問題があったようです。つまり、商品の代金を踏み倒してしまう組合員がかなりいたようなのです。もっとも私はクレジットカードを持たない主義なので、交渉して従来の口座振込のままにしてもらいましたけれど。でも、公金の支払となったら、話は別ではないでしょうか?
国民年金の未納者対策をするのであれば、支払のできない社会的弱者をなくす社会の構築を、まず考えていかなければならないはずです。その日暮らしのようなフリーターの若者などに、月額14100円もの保険料を納めろと督促するだけで未納者が減るとは到底思えません。消えた年金問題だってあるし・・・。
そんなふうに思っていた矢先、政府の経済財政諮問会議の民間議員によって、消費税で基礎年金の全額をまかなうという全額税方式の提言がなされました。これでは消費税の増税につながってくるでしょう。増え続ける年金未納者や未加入者の対策として消費税の増税? 消費税の増税は、いうまでもなく低所得者層に大きな負担を強いることになります。
消費税アップは低所得者の生活を直撃します。払いたくても払えない低所得者、ワーキングプアをなくし、だれでも最低限の生活を保障される社会にしなければ、年金の未納者問題は解決しません。
いやはや、政府の考えることといったら問題の本質的解決ではなく、大企業の優遇と弱いものいじめばかりではありませんか。
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