次の名前は「山のみち」!
緑資源機構の悪質な官製談合事件で、機構は今年度限りで廃止されることになりました。当然のことでしょう。その機構の中心事業である大規模林道も当然廃止されるべきです。何しろ大規模林業圏構想はとっくに破綻して必要性がないうえに、談合の温床になっていたのですからね。
ところが、林野庁はどうしても林道事業を続けたいようです。そこで考えたのが、独立行政法人緑資源機構としての事業としては廃止し、県や道が主体となって国の補助事業として進めるというやり方です。その事業名は「山のみち地域づくり」。
林野庁は、地方公共団体の判断により、必要な区間について実施できるよう、新たに「山のみち地域づくり交付金」を創設したのです。そして、財務省に予算要求です。またまた税金をこんな道路につぎ込もうとしています。いやはや、利権構造を確保するためには、いろいろと知恵を絞るものですねえ!
はじめは「大規模林道」、その次は「緑資源幹線林道」、そして今度は「山のみち地域づくり」。自然をこわし、森林の公益的機能を低下させて、どこが「地域づくり」なんでしょうか?
だいたい、この道路工事では多くの路線でアセスメント調査もきちんとやっていません。アセスを行ったところでは、その杜撰さが明らかになっています。しかもそのアセスは、はじめから工事をすることが前提になっているのです。生物多様性条約に反する自然破壊道路であり、災害を誘発する道路にほかなりません。生物多様性条約を締結している国として、あるまじきことです。環境省も物申すべきではないでしょうか?
県や道は自然を破壊するだけの道を本当につくりたいんでしょうか? 北海道はただでさえ財政難であえいでいるのです。道民は、こんな巨額の税金がかかる事業をどう考えているのでしょう? その前に、「山のみち地域づくり」のことを知らない道民も多いのでしょうね。
昨日は、大規模林道問題全国ネットワークなど、この道路にずっと反対を続けている団体が財務省と総務省に、「山のみち地域づくり交付金」を凍結するよう申入れにいき、分厚い資料を提出して問題点を説明してきました。ところが、なんと新聞記者はその会場に入ることを拒否されてしまったそうです。国が取材拒否ですよ!
マスコミが大きく報道しないのであれば、知っている人たち一人ひとりがこの問題を伝え、声を大にしていかなければなりません!
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