ウコンウツギの赤い斑
先日登った羅臼岳では、ちょうどウコンウツギが満開でした。ウコンウツギは亜高山から高山にかけて生育するスイカズラ科の落葉低木です。
7月前後に黄色い漏斗状の花を咲かせますが、よく見ると、下側の花弁に橙色や赤の斑点があるものがあります。ウコンウツギの花は、咲き始めの頃は全体が黄色なのですが、次第に花弁の一部が赤く色づいてくるのです。
これは、花を訪れる虫へのサインと考えられています。受粉し、蜜を出さなくなった花は赤く色づくことで、蜜を吸いにきた虫に、もう蜜を出していないことを知らせているというわけです。これで虫も効率よく蜜にありつくことができますし、花のほうも効率よく受粉してもらえます。
植物たちは、花の形を工夫するだけではなく、色も利用して虫との関係を築いているのですね。それにしても、受粉すると花弁が赤く色づくというしくみは、どうやって進化しきてきたのでしょうか・・・
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