環境への配慮って何?
先日、大規模林道(緑資源幹線林道)「平取・えりも線」の「様似・えりも区間」の工事現場を視察しました。ここは、今年はまだ工事を開始していないようです。
そこで見つけたのが、排水溝の構造物に落ちて閉じ込められたエゾアカガエルとエゾサンショウウオ。エゾサンショウウオは北海道のレッドリストに留意種として掲載され、生息地の破壊によって減少している動物です。
工事中の道路脇にはコンクリートの排水溝がつけられますが、その排水溝からの水を溜める構造物が先に作られているところがありました。その中を覗くと、やせこけたエゾアカガエルが瀕死状態になっています。深くて外に出られないのです。そこで、救出作戦を開始しました。
水の中にたまった落ち葉をすくい上げていくと、落ち葉とともに出てきたのは、エゾアカガエル18匹、エゾサンショウウオの幼体2匹、エゾサンショウウオの卵塊複数(ただし、卵は死亡している)。
エゾアカガエルやエゾサンショウウオは、水溜りがあれば産卵します。でも、このように深かったら出られなくなってしまうのです。そして、水が腐れば産卵した卵も死んでしまいます。ですから、このような構造物をつくるときには、小動物が入り込まないように工夫しなければなりません。ところが、工事をする際には、そんなことはまったく考えていなかったようです。
こんな現場を見ると、「環境への配慮って何?」と、空しい気持ちになってしまいます。もちろん、それ以前に「必要のない道路」だと思うのですが・・・。
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