キバナコウリンタンポポの脅威
コウリンタンポポの花の季節になりました。北海道では路傍や空き地などに群生し、オレンジ色の花を咲かせます。
このコウリンタンポポに外見がそっくりなのに、黄色の花を咲かせるものがあります。コウリンタンポポと同じ種だと思っている人も多いのですが、こちらはキバナコウリンタンポポという別種。両方ともヨーロッパ原産の帰化植物です。写真のオレンジの花はコウリンタンポポで、黄色の花はキバナコウリンタンポポ。
この2種は、タンポポと同じように地上部に茎をもたず、地際から葉を出します。ですから、草刈をしても平気です。でも、丈の高い草が侵入してくると、日陰になって負けてしまうようです。そのためか、ときどき草刈をする道路際には、どんどん広がっています。
北海道では以前はコウリンタンポポの方が普通で、キバナはあまり見られませんでした。ところが、近年ではキバナがどんどん増えているようなのです。黄色いのが目立つようになってきたと思っていたら、みるみるうちにキバナが増加し、私の住んでいるあたりでは今では圧倒的にキバナになってしまいました。庭にも侵入してくるので抜き取るのですが、ちょっと手を抜くと、どんどん広がってしまいます。どうやら根が地下でつながっているようです。
その拡大のスピードの速いことには驚かされます。コウリンタンポポとキバナコウリンタンポポは似たような形態で、同じようなところに生育するために、競争が生じると思うのですが、どうしてキバナの方がこんなに優占してしまうのか不思議です。キバナの方が優れた繁殖戦略を持っているのでしょうか? コウリンタンポポはキバナと共存することができるのでしょうか?
両方とも帰化植物ですから、繁茂するのは困ったものなのですが、こんなふうにキバナが侵略してくる様子を目の当たりにすると、帰化植物のたくましさにたじろいでしまいます。
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