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2007/06/29

自分で批判するしかない!

 文芸社が渡辺さんを提訴した裁判で、名誉毀損が認められたからといって、この商法がおかしくないとは私には到底思えません。それなのに、マスメディアが共同出版問題について報道しないなら、ほとんどの人がこの商法の問題点を知ることができないではありませんか。そしてこのような商法が延々と続けられるのでしょう。自分の体験や疑問を黙っているしかないのでしょうか? 自費出版がブームだといわれ、多くの人が共同出版で本を出しているのです。それなのに、黙っていていいのでしょうか?

 個人でホームページなどをつくって、この問題を公表していくことも可能ですが、私は基本的にアナログ人間であり、難しいことは無理そうです。何しろこの当時、インターネットはメールくらいしか利用しておらず、ホームページなどもほとんど見たことがなかったのです。ですから、ネットで情報を収集するなどということも、やっていませんでした。

 2ちゃんねるでは以前からこの問題が話題になっているという話は伝え聞いていましたが、もちろんそれも見ていませんでした。匿名掲示板は信憑性に疑問がありますし、業界関係者が意図的な書き込みをして情報操作することもあるでしょうから、私はまったく興味がないのです。今でも2ちゃんねるは見ていません。

 その後知ったのが、誰もが記者として情報を発信できるインターネット新聞JANJANでした。新聞は広告を垂れ流しにし、ネットでの批判も匿名サイトが中心なら、自分で発言するしかありません。そこで、この問題について2005年の秋からJANJANに連載で投稿したのが以下の記事です。

文芸社「協力出版」で著者に請求する制作費は正当か? 

文芸社商法のさらなる疑惑 

それでもあなたは契約しますか? 

「共同」の意味を履き違えた共同出版 

文芸社だけではない、制作費の水増し疑惑 

共同・協力出版のシステムと闇に包まれた実態 

共同・協力出版問題で問われるメディアの責任

文芸社と闘った人(1) 

文芸社と闘った人(2) 

騙しの出版商法と闘うために 

 この一連の記事で、自分の体験から感じた疑問を明らかにするとともに、文芸社以外の出版社でも同様の問題があることを指摘しました。

 さて、インターネット新聞に記事を投稿し自分の疑問や考えを公表したことで、私はこれ以上自らこの問題に関わるのは終わりにしようと思っていました。ところが、記事を書いた翌年の2006年3月に、碧天舎という共同出版業界第3位の出版社が倒産してしまいました。それによって、本も出なければ支払った制作費ももどってこないという被害者が多数でてしまったのです。

 碧天舎の倒産については、マスメディアでも取り上げられましたが、そこで問題にされたのは碧天舎の経営の問題や、計画倒産ではないかというようなことばかりでした。私がこれまで書いてきた共同出版商法(碧天舎の場合は共創出版)自体が抱える本質的な問題点は、不思議なことにほとんど話題にされなかったのです。私にとっては、そのことこそ疑問でした。そして、この問題がメディアではタブーであるらしいとつくづく感じたのです。

 私も碧天舎の倒産については、以下の記事を書き、相変わらずの共同出版に警鐘を鳴らしました。

碧天舎倒産で揺れる共同出版の行方 

(つづく)

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