グレート・リセットの失敗と資本主義の終焉に向けて(3)
日本がまず取り組むべきこと
脱成長への取り組みをしている間にも温暖化は進み、エネルギー危機や食糧危機になるかもしれない。ただ、それは人類の招いた負の遺産として受け入れた中で対策を講じるしかないだろう。でも、できることはまだまだある。日本は森林の国なのだから、里山の二次林を復活させて薪(ペレット)や炭などのバイオマスを暖房などにもっと活用するべきだ。河川や水路、上下水道の流水を利用した小規模発電も増やすことができる。太陽光も発電ばかりではなく、できるだけ日差しを取り入れる住宅にして室内を温めたり、水を温水にすることもできる。化石燃料を減らす取り組みはまだまだできると思うし、生活スタイルを変えることで節電もまだまだできるのではなかろうか。
今の農業は石油を動力にした大型機械に頼るようになってしまったが、石油や農薬、化学肥料に頼らない循環型農業への取り組みも必要だろう。なんでも機械化すればいいというわけではない。若者の農業就労を増やし、政府が農家を助成することで健全な農業を育てていくことも可能だ。現に、欧州では有機農業への転換が進められている。日本でも無農薬無肥料で立派な野菜を育てている農家がある。やればできるのだ。食料自給率を100%に近づけてできるだけ地産地消にすれば、輸送の燃料もかからない。
何も大規模な太陽光発電や風量発電だけが再生可能エネルギーではない。むしろそれらは環境破壊や健康被害を招いている。私は「再生可能エネルギー」という言葉が好きではない。かつて使われていたように「自然エネルギー」の方が自然のエネルギーをそのまま取り入れるというイメージがありより適切だと思っている。AIなどというものも全く歓迎しない。それよりも脱デジタルのほうがよほど人間らしい生活ができると思っている。
狂気のググローバリストを生み出した資本主義
さて、米国ではトランプ政権となり、グレート・リセットを目指すディープ・ステートの動きが封じられようとしている。コロナワクチンも中止する州が増えていきそうだ。そしてロバート・ケネディJr.氏が保健福祉省長官に就任した。彼は国民の健康のためにすべてのワクチンや食品添加物などを精査すると言っている。ようやく、これまで放置されてきたワクチンをめぐる嘘が明らかになるだろう。
私は思想的には左派だが、今回の大統領選では心からトランプ氏に勝利してほしいと思っていた。民主党のやってきたことがあまりに酷すぎるからだ。トランプ氏やマスク氏、ケネディJr.氏には、グレート・リセット阻止で頑張ってもらいたい。
とは言うものの、米保守党は当然のことながら資本主義の政党であり、私が支持する脱成長路線ではない。だから、トランプ氏もマスク氏もずっと支持するなどということはあり得ないだろう。トランプ氏のパリ協定離脱とかガザの米国所有などはとても賛同できない。それに、イーロン・マスク氏のやっている電気自動車や脳へのチップの埋め込み、宇宙開発には以前から大きな疑問を抱いていて、彼が何を考えているのかよく分からない。
米国はAIも推進するようだが、危険としか思えない。マスク氏の率いるDOGE(政府効率化省)は、USAIDの解体につづきNED(全米民主主義基金)の資産凍結、CIAの全職員の解雇を打ち出した。NEDもCIAのフロント組織であることが分かったからだ。これらの改革は評価するが、それ以外は首をかしげるようなことが多い。さらに、イーロン・マスク氏という大富豪の実業家が大統領と組むことに問題はないのか? 冷静に見守りたいと思う。
グレート・リセットという狂った発想は資本主義で莫大な資産を築いたグローバリストが生み出した怪物に他ならない。だからこそ、トランプ政権で暴露されつつあるグローバリストらの思想は、世界中の人がこのまま資本主義を続けるべきかどうかを考えるきっかけになるのではないかと思う。
さて、日本はどうなのか? 日本の首相官邸に巣くう約3000人のスタッフこそ国内のディープ・ステートだ。彼らは選挙で選ばれたわけでもないのに、実質的に日本の政治を牛耳っている。ここ数年でワクチンを日本の国策にしたのもこのスタッフたちだろう。トランプ米大統領が自国第一主義を掲げディープ・ステートの排除を実行しているのなら、日本も米国追従から抜け出し、官邸のディープ・ステートを解体するいいチャンスではないか。今まで騙されていた国会議員たちも立ち上がってほしい。
ワクチンを打った人も打たなかった人もみな被害者だ。まずは、国民の大多数が騙され支配されていたことを認めることが先決だ。そうでなければ、一歩も前に進めない。そして、一人ひとりが今後どうしていくべきか考えてほしい。
狂気のグレート・リセットや限界を迎えた資本主義に代わる新しいシステム、新しい方向性を探るためにも、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』(集英社新書)や『ゼロからの「資本論」』(NHK出版新書)を多くの人に読んでもらいたいと願っている。これらの本には、失敗した社会主義ではなくその失敗を乗り越えた新しい社会主義が示されている。(終)
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