サホロ岳ナキウサギ裁判

2015年4月 5日 (日)

サホロ岳のナキウサギ生息地をめぐる疑惑

 サホロ岳のナキウサギ裁判が始まってから1年半ほどが経過したが、3月10日に行われた第7回口頭弁論でナキウサギ生息地に関して大きな疑惑が浮上した。

 北海道知事はかつてサホロスキー場の拡幅にあたって、加森観光にナキウサギ生息地を保全するように付帯意見を出していた。このために加森観光はサホロ岳北斜面のコース造成にあたり、ナキウサギの生息可能なガレ場を保全すると北海道に説明をしていた。そこで自然保護団体は加森観光に対し工事内容を説明するように求めたのだが、加森観光は申入れを無視してスキーコースの造成に着手してしまったのだ。

 原告は昨年の10月14日の第5回口頭弁論で加森観光に対し、スキーコースやリフト、岩塊堆積地(ナキウサギの生息可能地)の位置を記入した地図の提出を求めた。ところが提出された地図は縮尺が1/3000で、既存のゴンドラ駅も記入されていない不可解なものだった。

 そこで、第6回口頭弁論で岩塊堆積地のGPSデータと詳細な地図の提出を求めたところ、3月3日に加森観光からGPSデータと地図が提出された。しかし、この地図も国土地理院の地形図とは異なる地図で、原告らのデータを重ね合わせることができないものだった。

 このために、原告らが調査した岩塊堆積地のGPSデータと、加森観光のGPSデータを国土地理院の地形図に重ね合わせるという作業を行った。その結果、原告らが調査した岩塊堆積地と加森観光の提示した岩塊堆積地が大きくずれていたことが判明した。つまり、加森観光の示した岩塊堆積地はスキーコースからギリギリで外れているのだが、原告らが確認した岩塊堆積地はスキーコースと重なっているのだ。

 3月10日の第7回口頭弁論で、加森観光は裁判長から原告が主張する岩塊堆積地を調べたのかと質問されたのだが、加森観光の弁護士はそれに答えようとせず雪がとけてから調査すると言い出した。このために原告の弁護士は、調査報告書等で分かることだからすぐに出せるはずだと主張し、1カ月ほどで回答するということになった。

 岩塊堆積地はゴンドラ駅からほど近いところにあり、加森観光がそれを見落としているとは考えられない。ここから導きだされるのは、加森観光が岩塊堆積地の位置をスキーコースから外れるよう恣意的にずらしてしまったのではないかという疑惑である。

 スキーコースはすでに伐採が行われてしまっている。もし、岩塊地をスキーコースにしていたのであれば、ナキウサギの生息地を保全するように求めた北海道知事の付帯意見を無視し、北海道にも虚偽の説明をしたことになる。

 次回の口頭弁論の期日は5月19日である。

2013年12月17日 (火)

サホロ岳ナキウサギ裁判が始まった

***秘密保護法は廃止しよう!*** 

 10月18日の記事で、加森観光によるサホロ岳北斜面のスキー場造成工事で、十勝自然保護協会とナキウサギの専門家2人が裁判を起こしたことをお知らせした。

サホロスキー場造成工事で自然保護団体などが提訴 

 この裁判の第一回口頭弁論が昨日(12月16日)札幌地裁であった。最初の日とあって、テレビ局の取材が入り、口頭弁論のあとには記者会見も行った。

 被告は、加森観光のほか国有林の使用許可を出した林野庁と、開発行為の許可を出した北海道の三者。つまり、答弁書は3通出されることになる。被告席には三者の弁護士や関係者がずらりと並ぶ。

 もちろん三者ともに訴えの却下や請求の棄却を求めており、争う姿勢だ。加森観光及び北海道の答弁書では、原告らは訴訟を起こす資格(原告適格)がないと主張している。どうやらまずは原告適格があるかないか、という入り口論での争いになりそうだ。

 「えりもの森裁判」でも、被告の北海道は「住民監査請求は不受理であり提訴できない、森林の公益的機能は財産とはいえない」と主張したため、森林の公益的機能は財産といえるかどうかという入り口論で約1年を費やした。その結果、原告の主張が全面的に認められて本論に入った。ただし、「えりもの森裁判」は住民訴訟であるのに対し、今回の裁判はそうではない。果たして、今回の裁判ではどうなるだろうか。

 次回の期日は2月である。

 そういえば「えりもの森裁判」は最高裁にいったまま何の連絡もない。いったいどうなっているのだろう。

2013年10月18日 (金)

サホロスキー場造成工事で自然保護団体などが提訴

 17日に、十勝自然保護協会とナキウサギの専門家2人が、加森観光がサホロ岳の北斜面で進めているスキー場の新コースの造成に対し、開発許可の無効と工事の中止を求める裁判を札幌地裁に起こした。以下が関連新聞記事。

エゾナキウサギ守れと提訴 新得のスキー場工事中止求め保護団体(北海道新聞)
エゾナキウサギ:「スキー場造成で生息地ピンチ」近く提訴(毎日新聞)
ナキウサギ生息 スキー場造成中止求め提訴(朝日新聞)

 加森観光は昨年から新スキーコース造成のために山麓部分の伐採を行っていたのだが、今年の秋になって本格的に造成工事にとりかかっているとの情報が寄せられた。工事を行っている斜面の上部にはナキウサギの生息地があり、このまま工事をつづけると生息地が破壊される。ナキウサギは環境省のレッドリストで純絶滅危惧種に指定されている。また、ここのナキウサギ生息地は大雪山と日高山系を結ぶ重要な位置にある。

 サホロ岳のナキウサギ生息地に関しては、かつて知事が生息地を保全するように付帯意見を出していた。ところが加森観光はこの生息地の調査を森林環境リアライズというコンサルタント会社に委託して209年11月5、6日に行い、生息の痕跡がなかったと結論づけた。以下参照。

加森観光のサホロ岳北斜面スキー場予定地にはナキウサギが生息! 

 調査を行った森林環境リアライズはサホロ岳のナキウサギ生息地を隠蔽していた事実がある。

呆れた森林環境リアライズというコンサルタント会社 

 裁判では加森観光に工事の中止を求めているほか、開発許可を出した林野庁と北海道に対しても許可の取り消しを求めている。自然保護団体は北海道に対しても何度もナキウサギの保護を求めて話し合いを行い、要望書を提出してきたのだが、北海道の許可には以下の記事で指摘したような重大な瑕疵がある。

サホロスキー場開発問題で言い訳に終始した北海道環境推進課 

 自然保護団体は林野庁に対しても自然保護の立場から何度も説明を求め要請をしてきた。

サホロスキー場北斜面開発で再調査を申入れ(十勝自然保護協会活動速報)
北海道森林管理局にサホロスキー場造成で再要望(十勝自然保護協会活動速報)
サホロスキー場造成で森林管理局に質問書(十勝自然保護協会活動速報)

 しかし、これらの指摘や要望に応えることなく林野庁も北海道も許可を出してしまったのである。また、加森観光は自然保護団体が説明を求めても徹底的に無視してきた。

サホロ岳北斜面スキー場造成でダンマリを決め込む加森観光(十勝自然保護協会活動速報)

 北海道も加森観光に対して自然保護団体に説明するように求めていたのだが、それも無視して工事を強行したのだ。

北海道の要請も無視して加森観光がスキーコース造成を強行(十勝自然保護協会活動速報)

 加森観光は2002年度から2011年度までの10年間で5億円もの補助金を地元の新得町からもらっている。しかし経営難で、今後のスキー場経営も危ぶまれるのが実態だ。そんな企業がさらに10億円も投入してコースを増設したところで、資金回収ができるとは到底思えない。貴重な自然を破壊したうえ、今後スキー場経営自体がどうなるのかまったく分からない不可解な工事なのである。

経営難で補助金頼みの加森観光がスキー場を拡張する不思議

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