野鳥

2015年9月24日 (木)

砂浜で海水を飲むアオバト

 連休中に、十勝の海岸まで出かけた。9月も半ばを過ぎたというのに、ちょっと歩くと汗をかくほどの晴天。7月に来たときは長袖を重ね着していても寒かったのが嘘のようだ。

 海岸は風もなく穏やかなのに、なぜか波は高い。いつものように、海岸に沿ってサケ釣りの人が列をなしているが、波も潮の加減も釣りには向かないらしい。

 長節湖の西の海岸を歩いていると、アオバトの群れが頭上を飛び回っているのに気付いた。こんなところでなぜアオバトが?と思ったが、その後、アオバトの群れは砂浜に降り立った。見ていると、汀線のあたりで波がくるのを待ち、足元に波が押し寄せた瞬間に海水を飲んでいる。中には、タイミングを失してまともに海水をかぶり、あわてて飛び立つ個体もいる。

 手持ちのコンパクトカメラでは豆粒のような写真しか撮れなかったが・・・。
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 アオバトは海水を飲むことで知られているが、私はてっきり岩礁海岸だけのことだろうと思っていた。しかし、砂浜でもこんなふうにして海水を飲むことを知った。

2012年4月23日 (月)

放鳥トキのひな誕生から学ぶもの

 昨日、佐渡に放鳥したトキのひなが誕生したというニュースが流れた。自然界でのひなの誕生は36年ぶりだという。これまで繁殖に成功しなかっただけにあまり期待していなかったのだが、久々に嬉しいニュースだ。

 トキといえば私が子どもの頃から絶滅が危惧されていて、しばしばニュースに登場していた。江戸時代までは日本に広く生息していたというが、人間による乱獲や環境破壊は簡単に野生生物を絶滅に追いやってしまう。気がついたときにはすでに回復が難しいほど減少しているということになりかねない。コウノトリなどもそうだが、トキの事例はひとたび絶滅してしまった生物をふたたび野生に戻すことの難しさを物語っている。

 今日の北海道新聞朝刊に、今回のトキのひな誕生に関する記事が載っていたのだが、その記事の中の環境省の担当者が以下のコメントを寄せていた。

 「自然との共生という考えは浸透しつつあるが、保護のために農薬を減らすなど、地元の産業に負担をかけるケースも多い。地域にとってのメリットを探りながら、持続可能な形で続けることが大事だ」

 トキの保護のために農薬を減らすことが、地元に負担をかけるという発言がどうも引っかかってしまう。トキが減少した理由は、乱獲、トキが棲めるような環境の減少、農薬による餌動物の減少などがあると言われている。

 トキはドジョウやカエルなど湿地に生息する小動物を餌としている鳥なので、水田は格好の生息地となった。それゆえに田んぼを荒す害鳥とされて乱獲されたのだ。営巣には樹木が必要であり、水田と里山といった環境がどんどん減少したことに加え、農薬による餌動物の減少が絶滅に拍車をかけたのだろう。

 野生生物が安定して生きていくためには、何よりも生息環境が整っていなければならない。トキが普通に生息していた頃の環境に戻すことはできないとしても、営巣できる樹木を保全し、餌となる動物が棲める環境に戻していくことは可能だろう。地域が一丸となって地道な努力を続けなければ野生復帰もうまくいくとは思えない。

 トキの絶滅は人間の行きすぎた環境破壊への警告だ。近年の環境破壊は多くの種の絶滅をもたらしてしまった。それは自然にとって、生物の歴史にとって大きな損失なのだ。その反省にたつならば、減農薬が産業に負担をかけるという視点こそ変えていかなければならないと思う。

 農薬を減らした農業は大変な手間がかかるのは理解できる。しかし、そもそも毒物である農薬が生物である人間の健康をじわじわと蝕んでいくのは言うまでもない。しかも農薬は害虫に耐性をもたらし悪循環に陥るのだ。農薬に依存した農業から脱却するためにもトキの保護を契機にした減農薬、無農薬の取り組みは歓迎されることだ。

 トキのようには目立たないだけで、人間による環境破壊により絶滅の危機に追い込まれている生物は無数にいる。気づかないうちに、私たちの身の回りから多くの生物が姿を消している。気が遠くなるような時間を経て進化してきた生物が、ほんの短期間のうちに人間というたった1種の生物によって滅ぼされているのであり、地球の歴史にとってはとんでもない絶滅の時代を迎えているのである。生物の多様性の損失は、取り返しのつかないことであり人間の罪は大きい。

 トキの絶滅は身勝手な人間への警鐘である。その教訓を活かすことができなければトキの野生復帰に力を入れる意味もないのではなかろうか。

2011年10月31日 (月)

シマアオジの激減が語るもの

 25日から27日の北海道新聞に「シマアオジはどこへ」という連載記事が掲載された。シマアオジは北海道の草原に夏鳥として渡ってくる野鳥で、雄は頭から背面にかけて栗色で腹部はきれいな黄色をしており、喉にも黄色の首輪があるコントラストがとても美しい鳥だ。本州の野鳥愛好家にとっては憧れの鳥のひとつだろう。

シマアオジ(Wikipedia)

 私がはじめてシマアオジを見たのは、学生時代に野鳥を見に北海道旅行をしたときだ。その旅行ではユースホステルと民宿を利用し、海岸に近い場所ばかりをうろついていた。サロベツ原野、浜頓別、浜小清水、落石岬等々・・・海岸の草原を歩きまわってはのびのびと囀る野鳥たちの声を満喫した。ノゴマやシマセンニュウ、オオジュリン、エゾセンニュウなどとともにシマアオジの姿を何回か目にし、可憐な声に耳を傾けた。

 そのシマアオジが激減しているという話は以前から聞いていた。中国人が渡りで移動する際に乱獲して食べているからだとか、越冬地の環境が悪化したのではないか、などと囁かれていた。考えてみれば私が北海道に移住してからシマアオジを見たという記憶がない。内陸部の山間部に住んでいると、草原の野鳥たちの動向はわからないものだ。ここ数年はイソコモリグモの調査で海岸部にずいぶん出かけたが、ホオアカやオオジュリンは目にしてもシマアオジは一度も見なかった。激減しているのは確かだ。

 北海道新聞の記事によると、74年から78年の国の調査では52の地域で生息が確認されていたが、97年から02年の調査では15地域でしか確認されなかったそうだ。環境省もようやく5年前に絶滅危惧種に指定した。記事でも減少の理由として中国人の食用による乱獲や越冬地の湿地の減少などが指摘されている。竹中万紀子さんは、北海道の草原が牧草地に置き換わってきたことも関係しているのではないかと指摘している。

 これほどまで激減した背景には、それらのことがすべて関係しているのではないかと私は思う。繁殖地でも越冬地でも好適な環境が減り、渡りの途中で捕獲されるのではシマアオジにとってはたまらないだろう。

 しかし、シマアオジがこれだけ減っているのなら、他の野鳥も同じように減っているのではなかろうか。かつては普通種としてどこにでも見られた野鳥が、知らないうちにいなくなっている、などというのはあちこちで起こっているのではないかと思う。

 そう言えば、私の居住地では以前は夏になるとコノハズクの鳴き声がよく聞かれたのだが、最近はすっかり声を聞かなくなった。コノハズクは森林の鳥だから、シマアオジの減少とは原因が異なるはずだ。

 野鳥のように比較的愛好者が多くて目立つ動物は減少も分かりやすいほうだろう。昆虫などでも激減している種があるに違いない。目立たない昆虫やクモなどということになると、知らないうちに激減しているものはかなり多いのかもしれない。その大半は人間による生息環境の悪化や破壊なのだろう。人間の身勝手な自然破壊が、どれほどの物言わぬ生物を脅かしているのだろうか。

 生物多様性が叫ばれるようになったといっても、その保全は遅々として進まない。というよりさらに悪化しているとしか思えない。気の遠くなるような長い進化の歴史のなかで生まれ、今の時代を生き続けている生物の生息環境を、たった一種のヒトという生物が短期間の間にズタズタにしているのだ。ヒトとは何と罪深い生物なのだろう。こんなことをしていたら、いつか取り返しのつかないことになるのだろう。

2010年7月31日 (土)

生きていた幻の鳥ミユビゲラと森林保護

 29日付の毎日新聞にミユビゲラが大雪山で確認されたとの記事が出ていると知人から聞きました。ちょうど「えりもの森裁判」で札幌に出かけたので、駅で毎日新聞を購入すると、「『幻のキツツキ』生息確認」という写真付きの大きな記事が出ていました。

 記事によると、北方森林鳥類調査室と岩手大学農学部保全生物学研究室が2006年に大雪山国立公園でミユビゲラを発見し、国立公園南部で約200ヘクタールの生息域を三カ所確認したとのこと。複数の雄が生息していると推測されるとのことでした。そして掲載された写真のキャプションには、「大雪山国立公園内で07年、北方森林鳥類調査室の稗田一俊さん撮影」とあります。この記事からは、少なくとも06年と07年に確認されていたことが分かります。

 ミユビゲラの記録については、「十勝三股森づくり21」のホームページに9例が掲載されています。近年では1988年に十勝三股で雌一羽が観察されていただけですので、2006年の記録は18年ぶりの発見ということになります。きっと大雪山国立公園のどこかに細々と生きているだろうとは思っていましたが、実際に生きていたということに感慨深いものがあります。あまり物音をたてないキツツキのようですし、個体数はとても少ないはずですから、見つけるのは至難の業といえるのです。

 さて、この記事を読んでとても不思議に思ったことがあります。記事には生息域の大半は国立公園の普通地域であり、林野庁が伐採や下草刈りを続けていて繁殖への影響が懸念されるとしています。そして「今年10月に名古屋市で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)を前に、日本の森林生態系の危機を知ってもらうため、公表に踏み切った」と書かれているのです。

 2006年に生息を確認してから繁殖期に伐採や下草刈りをしていたというのであれば、早急に公表して施業の中止を求めるべきだったのではないでしょうか。その間にも天然林の伐採は行われていました。危機的な状況であり早急な保護が必要だというのであれば、速やかな公表と対策こそ意味があります。公表したからといって、調査ができなくなるわけでもないのですから。4年も前から内密に調査をしていながら、今になってCOP10を持ち出して「保護のために公表した」というのは、なんとも不可解です。

 また、記事には東京大学の樋口広芳さんがコメントを寄せており、「分布域や数を把握するため、詳細な調査を期待する」としています。ミユビゲラはエゾマツなどの枯損木を採餌木にしていると考えられますから、採餌木を求めて生息域が変わっていくと思われます。1988年の十勝三股の発見場所には後に私も行きましたが、残念ながら見ることができませんでした。その場所では2回観察されて以降、ミユビゲラは観察されていません。採餌木がなくなってしまえば他の採餌木を求めて移動してしまうのでしょう。分布域や数の把握など、簡単にできるものではありません。生息地の実態をあまりご存知ない識者にしかコメントを求めなかったのもどうかと思います。

 冒頭には「ミユビゲラは42年に北海道中央高地で発見されて以降、9件の目撃情報しかなく・・・」となっています。この9件というのは先の「十勝三股森づくり21」に掲載されている記録が元になっていると思われますが、これらは目撃情報だけではありません。採集(捕獲)が複数含まれているということも指摘しておきたいと思います。

 ミユビゲラについては、「まやかしの国有林保護地域の拡大案」に書いたように、林野庁の度重なる過度の伐採や風倒木の処理によって生息地が破壊されてきたという事情があります。林野庁はミユビゲラを危機的な状況に追いやった責任を痛感すべきでしょう。

2009年5月10日 (日)

畑のオオセグロカモメ

 釧路でのイソコモリグモ調査を終えたあと、厚岸から標茶方面に向かったのですが、厚岸から7キロほどのところで不思議な光景に出会いました。なんと畑にオオセグロカモメの一群がいるのです。ハクチョウやガンが渡りの途中に畑で餌をとっていることは時々ありますが、こんな内陸の畑でカモメの群れを見たのははじめてです。どうやら、畑起こしで出てきたミミズや虫を食べているようです。

Hatakenokamome  日本で繁殖しているカモメはオオセグロカモメとウミネコの2種ですが、どちらも基本的には海岸の岩場や孤島などで繁殖していて、内陸にはあまり入ってきません。もっとも、最近ではオオセグロカモメが札幌のビルの屋上などで繁殖するようになりましたから、餌と営巣場所があれば都会でも繁殖できるしたたかな鳥といえるでしょう。昨年旅行した北欧では、カモメが街中や公園でまるでハトのように振舞っていました。

 カモメといえばふつう日本では海岸の光景ですが、大陸では内陸で繁殖しているカモメも少なくありません。種によって違うのですが、必ずしも海岸の鳥ではないのです。だいぶ前のことですが、私の住む十勝の内陸部にカモメの幼鳥が迷行してきたことを思い出しました。どこをどう迷ってこんな内陸にやってきたものかと思ったものですが、交通事故で死んでしまいました。

2008年12月 9日 (火)

都会に集まる野鳥たち

 札幌の大通公園でミュンヘン・クリスマス市をやっています。この催しは今年で7回目とのこと。大通公園の2丁目の一角をイルミネーションで彩り、クリスマスの飾りやドイツの食べ物などの出店が並んでいます。今年は11月28日からクリスマスイブの12月24日まで開かれているそうです。先週、札幌に行ったときに大通りに用事があったため、ちょっと寄ってみました。

 あたりは薄暗くなっていたのですが、会場の公園に入ったとたんに頭上から鳥の声が降り注いできました。キュルキュルという鳴き声から、公園の木がムクドリのねぐらになっていると直感しました。暗くてよくわからないのですが、葉が落ちているはずの街路樹に葉がついているように見えます。あれが全部ムクドリ?!とすると、すごい数です。札幌近郊にこんなにたくさんのムクドリがいたとは驚きです。

 あたりはどんどん暗くなっていくのですが、公園はイベントの明かりとイルミネーション、そして集まってくるお客さんの声でとても賑やか。そしてときどきムクドリたちが「キュルキュル」と大騒ぎしているのですね。よくまあこんなところをねぐらに・・・、これでは出店が閉店するまで眠れないだろうに・・・と、他人事(他鳥事?)とはいえ気になってしまいました。

 大通公園は広いのですから、なにも明るくて騒々しいイベント会場にこだわらず、少し移動して別の木をねぐらにすればいいのにと思ってしまうのですが、ムクドリさんたちはいつも同じ2本のプラタナスをねぐらに利用しているようです。野鳥がねぐらにする木というのは、とてもこだわりがあるようなのです。

 以前、我が家の近くにカラスのねぐらがあったのですが、カラスのとまる針葉樹の枝は葉が落ちてスカスカになっていました。止まる木や枝が決まっているのです。

 ムクドリが別の木に移動しないなら、イベント会場を移動させることはできないのでしょうか? なんともムクドリには気の毒なイベントのように思えてしまいます。もっともムクドリたちはそれほど気にしていないのかも知れませんが。

 そういえば昨年東京に行ったときも、交通量が多い街中の街路樹がスズメのねぐらになっていて、夕刻時には街路樹全体がザワザワ、チュンチュンしていましたっけ。なかなか壮観でした。それに、数年前に長野県に行ったときも、とある駅前の街路樹にムクドリが鈴なりに集まっていました。スズメもムクドリも車や人の往来は全く気にならないようです。

 昨日の北海道新聞の夕刊に、札幌の都心部のカラスやムクドリのねぐらのことが記事になっていました。大通公園のムクドリは数千羽なのだそうです。もっとも、雪祭りの頃にはどこかへ移動してしまうとのこと。今の季節の風物詩でしょうか。

2008年10月23日 (木)

カラスとの知恵比べ

 1ヵ月ほど前のことなのですが、生協の配達時間に留守にしたために、商品を玄関前に置いていってもらいました。商品は発泡スチロールの箱とプラスチックのコンテナに入れてありますし、配達の方も注意してくださっているのです。

 何に注意するかっていうと、カラスです。とにかくカラスは目ざとくて、食べられそうなものがあればすぐに近寄ってきますから。北海道は本当にカラスが多いんです。

Nusuttokarasu  ところが… やられちゃいました! コンテナの近くには破れた食パンとバターロールの袋が…。そしてバターロールが半分だけ転がっていたんです。配達されてからほんの一時間ほどの間にです。

 コンテナの持ち手の隙間から嘴を突っ込んでパンを盗んだのです。でも、あの小さな隙間から食パン一斤分とバターロール6個を引っ張り出すとは、なんて器用なんでしょうか(感心していてはいけないのですが!)。人間だってそんな簡単にできるもんじゃありません。

 それに、いくら大食漢のカラスだって、一度にそれだけのパンを食べられるとは思えません。一羽だけではなく何羽もいたのか、あるいはどっかに持っていって隠したのか?

 私の家の周辺にいるカラスはほとんどハシブトガラスなのですが、これがとても頭がいいんですね。ゴミを出すときも、カラスにやられないようにいつも気をつかいます。

 外にゴミを出すとき、どこかで「カァー」と鳴き声がしたときは要注意。木のてっぺんなんかでちゃんと見ているんです。鳴声で仲間に合図でもしているのでしょうか。コンテナに入れたり、網をかぶせたりいろいろ対策はするのですが、それでもちょっとした隙をついて散らかされることがあります。たかがカラスといってあなどれません。コンテナの持ち手の部分は要注意。本当に、ゴミ出しはカラスとの知恵比べなんです。

 カラスといえば、札幌では鳥ポックス症というウイルス感染症が流行っているそうです。

鳥ポックス症:札幌のカラスで流行 

 ゴミ置き場などでのカラス同士の接触によって、感染が拡大するようです。札幌のゴミ置き場はカラスのたまり場になっていますからね。流行は今のところ都市部が中心のようですが、今後は広がるかもしれません。スズメの大量死を思い出してしまいました。

 人間が野鳥たちに影響を及ぼさないよう注意しなければいけないのですが、頭のいい鳥だけあって対策も大変だと思います。

2008年5月 7日 (水)

北に渡るツバメ

 先日、道北に行った時、遠別川の河口近くにある公園の池の上をツバメが飛び回っていました。北海道で普通に見られるイワツバメでもショウドウツバメでもありません。背中がやや青っぽく、尾ははっきりとした燕尾です。「これはタダのツバメ?」と不思議に思いました。

 北海道ではツバメ(Hirundo rustica)は中部以北では繁殖していないのです。ですから、ここでも繁殖はしていないでしょう。とすると、このツバメたちは渡りの途中のようです。

 そこで家に帰ってからツバメの繁殖地を確認してみました。ツバメってずいぶん広く分布しているのですね。サハリンや千島でも繁殖していますし、カムチャッカにもいます。ユーラシア大陸や北アメリカでは北部を除いて非常に広い地域で繁殖していることを知りました。

 「北海道では南側にしかいない」ということが頭にあったために、てっきり北海道が繁殖の北限だと思っていたのです。先入観とは恐ろしいものです。北海道よりずっと北にまで分布しているにもかかわらず、北海道の中北部は空白地帯になっているということだったのですね。

 ツバメといえば人家や建物に営巣する代表的な夏鳥ですが、もちろん北海道の中部以北にも営巣可能な建物はたくさんあります。それなのに、繁殖していません。とても不思議なことです。こんな不思議なことがあるからこそ生き物を見るのが楽しいともいえます。

 イワツバメも建物や橋げたなどに巣を造りますが、岩壁などにも巣を造っています。人間の建造物が繁殖場所として都合が良いことを学習し、営巣場所を変えてきたのでしょう。

 現在ではツバメはすっかり人間の生活空間に依存し建物に巣を造っているようです。しかし、人が建物を造る以前はどんなところに巣を造っていたのでしょうか? 今は、まったくの自然の環境では繁殖していないのでしょうか? 建造物が出現する前は、イワツバメと同じように岩壁のようなところに巣を造っていたのかもしれませんね。

 人間生活と切っても切れない繋がりをもってしまった生物はツバメ以外にもたくさんあります。人の出現は、生き物たちにもさまざまな影響を及ぼしているのです。ただ、最近の建物はツバメが巣造りをするのには適さなくなっているような気がしてなりませんが。

2008年1月26日 (土)

野鳥と餌付け

 先日、帯広に行ったついでに十勝川温泉に行ってきました。温泉に入りにいったわけではありませんよ。ここの十勝川の河畔でハクチョウなどに餌付けをしているので、その様子を覗いてきたのです。

 オオハクチョウをはじめとして、マガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、ホオジロガモなどが、まるで家禽のように餌をもらっていました。

 実は、ここには餌がちゃんと用意してあるのです。パンのような加工食品ではなく穀類なのは評価できるのですが、「客寄せパンダ」ならぬ「客寄せ白鳥」です。

 中には自分で餌を用意して撒いている人も。加工食品には食塩や油脂などをはじめとしてさまざまな添加物が入っていますから、むやみに野性動物に与えるのは問題です。

 野鳥だけではなく、シマリスやナキウサギなどへの餌付け問題にも共通しているのですが、不用意に野生動物に餌を与えることによって、病気などを広めることにもつながりかねません。

 我が家でも以前は餌台を置いていたことがありますが、自然への影響を考えてやめました。どうしても保護が必要であるような特別な場合を除いては、あまり人が関るべきではないでしょう。

Hidorigamo  背中に発信機をつけたカモがいました。写真はヒドリガモのメスです。一見、背中から矢のようなものが突き刺さっているかのように見えますが、後ろに突き出ているのはアンテナです。衛星を利用して、移動ルートを調べているのでしょう。

 渡り鳥の調査といえば、ひと昔前は足羽や首輪をつけて観察するやり方が主流でしたが、今はどんどん変わってきているんですね。でも、この機械いくらかかっているのかしら・・・なんて、ついつい気になってしまいました。

2008年1月16日 (水)

キレンジャクとナナカマド

 この冬は年末ごろから、家のまわりをキレンジャクの群れが飛び回っています。写真を載せたいところですが、私のカメラではうまく撮れません。

 尾や翼の先を黄色に染め、ふっくらした体で頭部に冠毛をもつキレンジャクは、なんともエキゾチックな雰囲気の鳥です。チリリリリ・・・と鈴を振るわせたような涼やかな声を出します。

 本州ではじめてこのキレンジャクに出会ったときは、その容姿に見入ったものですが、北海道では住宅地などでも普通に見られるのに驚きました。

 木の実を求めて移動しているためか、よく見かける年とほとんど姿を見せない年があります。今年はナナカマドの実が比較的よく実っていたので、食べにきたのでしょう。つい先日までは30羽ほどの群れだったのですが、昨日からは倍くらいの群れになりました。どこかから移動してきた群れが一緒になったのでしょうか・・・。

 その群れがナナカマドの木に一斉に降り立ち、赤い実をいくつかついばんだかと思うと、サッと飛び去っていきます。そうやってあちこちのナナカマドを渡り歩いているようなのです。じっくりと止まってついばむのではなく、少しずつ食べてはまたやってくるという行動がとても不思議です。

 我が家の前にあるナナカマドの実も、日を追うごとに少なくなっていきます。こうやって、この一帯にある木の実を食べつくしてしまったらまたどこかに移動していくのでしょうか。

 ヤドリギの実が好物で、レンジャク類は種子を運ぶのに役立っているようですが、確かに北海道はヤドリギが多いですね。

 霧氷で真っ白に輝くナナカマドの枝にキレンジャクが群れ、キラキラと氷の粒が舞い落ちるのを家の中から眺めています。北国ならではの光景でしょうね。

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