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2019年3月17日 (日)

広めてほしい「移動難病カフェ」

 私がツイッターでフォローしている「羊タイプ2」さんが、「移動難病カフェ」の活動ためにクラウドファンディングを始められた。羊さんのクラウドファンディングのページは以下。

全国初(?)移動難病カフェを作り難病の方々の心の支えになりたい!!

 一昨年の秋頃のこと、私のツイッターのタイムラインにリツイートで一枚のイラストが流れてきた。素敵な羊のイラストに惹かれて「羊タイプ2」さんをフォローし、彼が線維筋痛症で入院中であることを知った。彼は入院して治療に励みながらイラストをツイッターにアップしていたのだが、私の生まれ故郷に近い長野県の、携帯の電波も届かない山の中で羊や犬、猫などの動物たちと暮らしていることを知った。

 その後、病状悪化で再び昨年末に入院。その病院での治療が合わず薬の副作用に苦しめられ、ストレスから失声症とディスグラフィア(書字障害)まで発症してしまった。線維筋痛症は全身に激痛が生じる原因不明の難病で、治療法も確立されていない。そんな彼が立ち上げたのが『Canaria Sing Again カナリアはもう一度歌う』という移動難病カフェのプロジェクト。同じような境遇の方たちを童謡の「かなりあ」に例え、希望を取り戻してもらいたいとの願いが込められている。

 「難病カフェ」とは、難病の人たちが集って情報を共有したり悩みを語らい、前向きに生きるための支援をする活動だ。ただ、こうした難病カフェの活動はまだまだ広まっておらず、社会的支援も得られずに一人で苦しんだり自ら命を絶ってしまう方も多いという。そんな人たちに車で会いにいく「移動難病カフェ」の発想はつらい体験をした人ならではのものだと思う。

 私が線維筋痛症のことを知ったのは、「たいまつ」というブログを書かれている「木枯らし」さんからブログにコメントをいただいたことがきっかけだった。彼は沖縄で福祉の仕事をしながら写真家を目指していたが、線維筋痛症のために2年ほど前からブログも休止している。私には繊維筋痛症の痛みは分からないが、体に痛みがあれば誰しも辛いし気も滅入るものだ。そんな状態が続く生活がどれほどしんどくストレスになるかは想像に難くない。

 ところで、私は線維筋痛症の方の多くがHSPではないかと感じている。HSPとはHighly sensitive parsonの略で、生まれつき非常に感受性の高い人たちのことだ。人口の約15~20%がHSPだといわれているので、5、6人に一人はHSPということになる。感受性の高いHSPの方は他者への共感力も高いのだが、疲れやすく動揺もしやすい。鋭い感性をもっているために絵画や写真、音楽や文章の才能など、芸術的な素養がある方がとても多い。

 ただその過敏性によって、音や匂い光などの刺激に対して過剰に反応してしまう。「炭鉱のカナリア」なのだ。電磁波過敏症とか化学物質過敏症、慢性疲労症候群などを発症する人も多いし、地震の体感者などもおそらくHSPなのだろう。そして何らかのきっかけで痛みにとりわけ過敏になってしまったのが線維筋痛症ではないかと思っている。

 私もHSPを提唱されたアーロン博士の本を読んで、自分がHSPだと気づいた。子供のころからの内向的な性格も納得がいった。私自身、匂いにひどく過敏で化学物質過敏症だし、ストレスがかかると過敏性腸症候群を発症する。また、HSPの人は他者がHSPか非HSPかも感覚的にたいていピンとくる。

 自分の親も、また二人の子供もHSPだと分かったら、それまでは不思議に思えた性格や行動もなるほどと思えたし、世の中には「敏感ではない人たち」が多数派であることも理解できるようになった。電磁波過敏症や化学物質過敏症、地震体感などを心の問題だとして否定する人もいるが、そのような否定論者たちは非HSPなのだと思う。悪気はないのかもしれないが、彼らにはおそらくHSPの繊細さや過敏さはまったく理解できないのだろう。

 線維筋痛症とHSPが何等かの関係があるのなら、こうした難病も決して他人事ではない。パソコン、インターネット、スマートフォン等々、私たちの生活はどんどん便利になってきたが、それとともにどこにいても電磁波にさらされるようになった。一方で、市場原理主義の台頭によって競争や格差が激化し、人々は過度のストレスにさらされるようにもなった。弱者切り捨てのストレス社会で、過敏症や慢性疲労症候群、線維筋痛症などは増え続けるのではなかろうか。こうした病気は私たち人間社会がつくりだしたのだと思うし、さまざまな過敏症はこの社会の異常さや生きづらさを象徴しているように思えてならない。

 本来なら難病の人たちも社会保障によって支えられねばならないのだが、新自由主義的な政策と少子高齢化で社会保障は減らされる一方だ。この先、社会保障が充実するという期待はほとんど持てないし、病気や事故などで働けなくなった者が孤立し見捨てられる社会にすでになってきている。そんな中で何よりも大切なのは人々が協力しあい助け合うことではないかと思う。人は一人で生きていける動物ではなく、共同体をつくり助け合うことで生きのびてきた。格差が拡大し荒んだ社会に必要なのは、社会保障の充実だけではなく人々が互いに協力しあえるしくみだろう。だからこそ、羊さんの移動難病カフェのような活動を応援したいと思う。

 彼の活動に賛同される方は、SNSなどでの拡散をお願いしたい。

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