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2015年9月

2015年9月26日 (土)

深刻な海岸浸食

 先日出かけた十勝の海岸(長節湖と湧洞沼の間の海岸)には2009年にイソコモリグモの調査で来ていた。その時の写真が以下。
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 侵食を抑えるために丸いコンクリートブロックが並べられており、ブロックの陸側は草地になっている。

 ところが、6年後の今年はこんな状況になっていて、ブロックの陸側の草地は消失し砂地になっていた。
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 このあたりは2009年の時点でも海岸浸食が深刻だったが、6年でそれがかなり加速していることを実感した。以前は海岸に沿って車道があったのだが、今は浸食によって通れなくなり、道が内陸側に付け替えられていた。

 このような光景は北海道の多くの海岸で見られる。日本の国土は波に削られて年々狭くなってきているのだ。

 ダムによって土砂の流下が妨げられるようになったことと、漁港などの防波堤で沿岸流の流れが変わってしまうことが海岸浸食の主な理由と考えられるのだが、人が自然の摂理に逆らうようなことをやれば、このように必ずその影響がでる。

2015年9月24日 (木)

砂浜で海水を飲むアオバト

 連休中に、十勝の海岸まで出かけた。9月も半ばを過ぎたというのに、ちょっと歩くと汗をかくほどの晴天。7月に来たときは長袖を重ね着していても寒かったのが嘘のようだ。

 海岸は風もなく穏やかなのに、なぜか波は高い。いつものように、海岸に沿ってサケ釣りの人が列をなしているが、波も潮の加減も釣りには向かないらしい。

 長節湖の西の海岸を歩いていると、アオバトの群れが頭上を飛び回っているのに気付いた。こんなところでなぜアオバトが?と思ったが、その後、アオバトの群れは砂浜に降り立った。見ていると、汀線のあたりで波がくるのを待ち、足元に波が押し寄せた瞬間に海水を飲んでいる。中には、タイミングを失してまともに海水をかぶり、あわてて飛び立つ個体もいる。

 手持ちのコンパクトカメラでは豆粒のような写真しか撮れなかったが・・・。
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 アオバトは海水を飲むことで知られているが、私はてっきり岩礁海岸だけのことだろうと思っていた。しかし、砂浜でもこんなふうにして海水を飲むことを知った。

2015年9月17日 (木)

SEALDs批判に思うこと

 ここ数日、ツイッターのタイムラインには国会前で行われている安保法制への抗議行動に関する情報が次々に流れてくる。ただ、その中にときどきSEALDsや国会前での抗議行動を批判する意見が見受けられる。もちろんいろいろな意見はあるだろう。しかし、どうしても違和感を持たざるを得ない批判があるのも事実だ。

 たとえば、体制側による仕組まれた集会であるとか、国民投票に持っていくための運動であり参加している人は騙されているとか、被ばくするから行くべきではないとか・・・。もちろん、個人がそう考えるのは自由だが、私は物事はそう単純ではないと思っている。

 タイムラインにはSEALDsが「人工芝運動」であるというツイートも流れてきた。ウィキペディアによると、人工芝運動とは「団体・組織が背後に隠れ、自発的な草の根運動に見せかけて行う意見主張・説得・アドボカシーの手法である」とある。つまり、SEALDsは特定の主張を広めるために、一般市民による自発的組織に見せかけているという主張だ。

 たしかに、似非市民団体というものは存在する。たとえば環境保護団体の看板を掲げてはいるが、その実態は環境に対する配慮を条件に、環境破壊ないしは環境汚染をするような事業にお墨付きを与えるようなことをしている団体もある。これなどはまさに人工芝運動といっても過言ではないだろう。

 実は、私が関わっている十勝自然保護協会は、権力と結びついた人たちによって乗っ取られかけた過去がある。士幌高原道路(道々士幌然別湖線)の建設をめぐり、会の役員が容認派(柔軟派)と反対派に真っ二つに分かれて紛糾し、闘争ともいえる状況になったのである。

 士幌町から然別湖に抜ける士幌高原道路は、自然環境に大きな影響が懸念されるということで計画が凍結されていた。それが工事再開へと舵をきったのは1983年に横路孝弘氏が北海道知事になってからである。そして、横路知事は、士幌高原道路について「地元自然保護団体のコンセンサスを得ながら取り組む」と発言し、地元自然保護団体、すなわち十勝自然保護協会の意向が大きく注目されることになった。

 知事がこのような発言をしたのは裏があった。十勝自然保護協会の役員には横路知事を支持する地区労関係者が複数存在していた。そして彼らは労組関係者を密かに入会させていた。また当時の会長が、地元の士幌町民に対し「道路をつける」と言っていたという情報がもたらされたのだ。つまりは横路知事の支援者である労組が、水面下で地元自然保護団体を乗っ取ることで道路建設を認める方向で密かに動いていたのだ。

 しかし、当時の役員の約半数はこのような政治的関わりのない純粋な市民であり、道路建設による自然破壊を危惧していた。当然、労組関係者と会長の不穏な動きが役員会で追及されることになり、答えに窮した会長と労組関係の役員たちが役員会を退席して職務を放棄してしまった。こうして、水面下で道路容認に動いた役員たちは会から出ていったのである。彼らはその後もしばらくは十勝自然保護協会を名乗っていたが、やがて消滅した。

 知事を支援する労組が市民団体に介入して企てた乗っ取りは、こうして失敗に終わった。もし、この乗っ取りが成功していたなら、十勝自然保護協会は、人工芝運動と揶揄されることになったのかもしれない。また、そうなっていたら、知事と利害関係がないメンバーたちはさっさと退会し、新たな組織を立ちあげて闘っていただろう。

 なお、町と農協が一体となってこの道路を推進していた士幌町では、「士幌町開発と自然保護の会」という不可解な団体が結成された。名称に自然保護を掲げてはいるが、それが似非であることは言うまでもない。こちらは、純粋な人工芝運動体であった。

 この士幌高原道路をめぐる十勝自然保護協会内部の動きは、外部の人にはおそらくほとんど分からなかったと思う。単純に、会の内部での意見の違いとか、仲間割れと見られていたかもしれない。

 さて、ではSEALDsはどうなのだろう? 彼らの抗議行動の目的は安保法制を成立させないという一点だ。だからメンバー個人は支持政党などもさまざまなようだ。もちろん無党派やこれまで政治に関心がなかった人たちも多数いるだろう。そして、彼らはスピーチにおいて個人の責任で自分の意見を主張している。だから、個々のスピーチは「安保法制反対」ということを除いて、ひとつの方向に集約されるわけではない。

 今の時代、たとえマスコミが報じなくても、国会前の抗議行動はツイッターなどで知れ渡ってしまう。彼らが否が応でも目に着く存在になっている以上、いろいろな意味で彼らを潰そうとしたり利用しようと虎視眈々と狙っている人たちがいるに違いない。反対運動をしていれば、必ずそれを潰そうとしたり利用しようとする人が現れる。それはマスコミであったり、特定の団体や政党かもしれない。自然保護団体も同じで、開発行為をしている事業者やその関係者が、自然保護団体のメンバー個人を手懐け引き込もうとすることもある。

 だから、もしかしたらSEALDsにおいても一部のメンバーは利用されたり影響を受けたりするかもしれない。そういうことがあったとしても、それはSEALDsという団体の責任というよりメンバー個人の問題だろうし、そのような人はいずれ組織から離れることになるのではなかろうか。いずれにしても、個人個人が不純な目的で近づいてくる人たちに対し、毅然とした態度をとれるかどうかの問題だと思う。

 組織の内部のことは、外部の人にはなかなか分からないものである。そしてSEALDsがはじめから仕組まれた運動体だという説は、あくまでも外側から彼らを見ている者によるひとつの見方でしかないし、まして真実であるかどうかなど分からない。少なくとも、私には特定の団体や個人の影響を受けているメンバーがいるとしても、SEALDsそのものが体制側によって仕組まれた団体だとは思えない。

 今大事なのは、SEALDsという組織云々のことではない。もしSEALDsが真の草の根の学生組織でなければ、いつかは駆逐されるか自然消滅するだろう。SEALDsがどうこうということより、憲法違反の戦争法案を国民の意見も聞こうとせずに強引に成立させようとしている安倍政権が大問題なのだ。真実かどうかも定かではないことでSEALDsを目の敵にして何になるというのだろう。

 頑張っているのはSEALDsだけではないし、彼らばかりをちやほやして持ちあげすぎるのはどうかと思う。しかし、自分の心の内を公の場で発言することをはばかられる環境で育った若者たちが、名前も顔も晒して堂々と意志表示しているのである。そして、ネットでは酷い中傷を受けている。私はSEALDsを特別視するつもりはないが、彼らの決意と行動力は支持するし、彼らこそ今の日本の局面に向き合って「嫌われる勇気」を持つことを自分で選びとったのだと思う。

 今の日本人の多くに欠けているのは「嫌われる勇気」を持って、自分の主義主張を述べることだ。自己保身に必死になり「嫌われる勇気」を持てない人たちは、権力者に簡単に操られてしまう。権力者にとっては実に都合のいい存在だ。国会前で、あるいは全国各地で自民党政権の暴挙に抗議する人々は、ようやくその危険性に気づき始めたのではなかろうか。

2015年9月 8日 (火)

狩り蜂に麻酔されたクモの行方

 机の上にヤチグモ(たぶんアキタヤチグモ)の幼体の入った管ビンがある。このクモは、7月31日に狩り蜂に狩られたものだ。

 わが家の庭ではときどき狩り蜂がクモを狩るのを目撃する。この日は、狩ったクモを抱えたハチが家の壁(サイディング)の下端のあたりをウロウロしていた。ところが、私が写真を撮ろうと近づいたところ、ハチはクモを落としてしまった。

 下の写真はクモを狩ったハチ。一度獲物を落としてしまうと、なかなか見つけられないようだ。
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 こちらは狩られたクモ。麻酔でぐったりしていて動かない。
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 で、ハチには申し訳ないが、運がよければクモは生き返るかもしれないと思い、クモを持ち帰って管ビンに入れておいた。はじめのうちはちょこちょことビンを覗いていたが、クモは麻酔された状態で、ビンを軽く振っても全く動かない。しかし、干からびる様子もない。ただ、脚は伸びた状態から次第に関節を曲げた状態になっていった。その後、8月18日から10日ほど本州に出かけてしまったが、帰ってきてから管ビンを覗くと、同じような状態のままだった。

 しばらくそのまま放っておいたのだが、もう生き返りそうにないし、そろそろ自然に帰しておこうかと思い、手のひらの上にクモを取り出した。その途端、クモの第1脚がピクピクと動いたのだ。「あれっ、生きている!」と、目をしばたいた。そして、もう一度手の上でクモを転がしてみた。すると、こんどは第1脚のみならず、他の脚もピクピクと動くではないか。麻酔されてからの日にちを数えてみると、39日目である。下の写真は、机の上に出したヤチグモ。
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 以前、同じように狩り蜂に麻酔されたオニグモを持ちかえって様子を見たことがある(詳しくは
こちらの記事を参照いただきたい)が、その時は3日ほどで動かなくなり11日ほどで生気がなくなってきたのでアルコール標本にしてしまった。そんなことがあったので、このヤチグモの場合、1カ月以上も経ってから動いたことにちょっと驚いた。

 クモの生命力もさることながら、こんなに長期間、仮死状態にさせておける麻酔薬を進化させたハチもたいしたものだ。

 さて、このヤチグモはこのあとどうなるのだろう? 死んでしまうのか、生き返るのか、後日結果をお知らせしたいと思う。

2015年9月 5日 (土)

言論の責任とヘイト(憎悪)発言

 最近、ツイッターでヘイト(憎悪)発言について何回か呟いた。というのも、ネットによる叩きが異常といえる状況になっており、そろそろ何らかの対処が必要ではないかと思えてならないからだ。

 一口にヘイト発言といっても、悪口、罵倒、誹謗中傷、蔑み、人格否定、嘲笑など様々だ。さらに、検索などを駆使して個人情報やネガティブ情報を収集し、事実も確かめずに拡散させる嫌がらせや脅しが後を絶たない。まさにネットが「いじめの世界」になり果てている感がある。

 ネットによるヘイト発言は、現実社会での悪口とは質が違う。現実社会の悪口は顔が見えるしその場限りだ。しかしネットでは削除しない限り永遠に残り、場合によっては書いた人の意思に関わらず拡散されていく。たとえ削除されたとしても、コピーが出回って回収不可能ということも生じかねない。場合によっては特定の個人に大変なダメージを与えることができるし、他人の人生を狂わせてしまうことになりかねない。それだけに、個人を名指ししたヘイト発言の責任はきわめて重いといえるだろう。

 ネットのモラル、マナーの問題であると同時に、名誉毀損やプライバシー侵害、侮辱といった法に触れる行為でもある。不法行為なら法的手段に訴えればいいという意見があるかもしれないが、相手を特定して提訴するにしても時間や労力、お金がかかるし、損害賠償が認められたとしても弁護士費用などを考えれば赤字になりかねない。庶民には法的対処も容易ではない。そういう理不尽なことがあまりに安易に行われているのが、日本のネット事情だ。ネット叩きを恐れて、自分の意見も言えないという人も多いだろうし、きわめて由々しき状況に陥っている。

 とりわけ卑劣なのは、匿名で実名の者(ハンドルネームでも本人を特定できる者を含む)を叩く行為だ。ヘイター(憎悪者)は安全圏にいながら、相手の社会的信用だけは徹底的に落とそうとする。名誉毀損という犯罪行為でもある。

 中には実名のヘイターもいるが、そのような人は匿名者よりもはるかにリスクを負っている。なぜなら、実名でヘイト発言をすることで、自らヘイターであることを証明しているのであり、自分で自分の社会的信用を落としているともいえるからだ。そういう意味では実名で本人を特定できるようにしているヘイターは、匿名のヘイターより確かに責任(あるいはリスク)を負っている。

 もちろん、匿名であろうと実名であろうと、犯罪行為に変わりはないし、犯罪を放置すべきでないのは言うまでもない。ツイッターであれば、相手にしないだけではなくブロックで防御するのが賢明であろう。

 日本でこれほどにまでネット叩きが横行するのは、協調性を強要する日本のムラ社会にも関わっているのではないかと思う。同調圧力の強い社会では日頃から自分の本音が言えないため、そのストレスの発散を匿名発言が可能なネットで晴らしている人もいるのではなかろうか。

 それと同時に、自分の発言に責任を負いたくないという無責任体質の蔓延がある。ネットが発達していなかった頃は、一般の市民が校閲や編集などのチェックが何も入らない媒体で言いたい放題に発言することなどほとんど不可能だった。だから名誉毀損というのはもっぱら雑誌でプロの記者が書いた記事とか、書籍などの記述が対象になる程度だった。ところが誰でも匿名で簡単に発言できるネットでは、無責任な者による誹謗中傷や名誉毀損発言が溢れることになってしまった。

 無責任体質の背景には、成熟していない個人や社会がある。日本ではブログやツイッターの匿名率が高いという。以下参照。

諸外国別にみるソーシャルメディアの実名・匿名の利用実態(2014年) (Garbage NEWS.com)

 個人個人が成熟しており責任意識が高ければ、自分の責任において自己主張をするし、自分とは異なる意見に対し論理的に反論をすることはあっても感情的な誹謗中傷はしない。

 また、日本の場合は実名で発言しただけで、所属する組織から圧力がかけられるという事情もあるようだ。本来、組織が個人の発言を縛るようなことはあってはならない。ところが、この国では個人の発言に組織が干渉し、極端な場合は職を失うことにもなりかねない。組織が個人の言論の自由を拘束しているような社会はとても成熟した民主主義社会とは言えない。これでは実名言論が委縮するのも無理はない。

 しかし、その言論統制から脱却しようと努力しない限り、いつまでも成熟した個人や社会にはなれないだろう。自分の発言に責任を持つ成熟した個人、そして言論の自由を尊重する成熟した社会をつくっていくことが必要なのではなかろうか。そのために必要なのは、現状を変えようと一歩踏み出す勇気でしかないと思う。

 いずれにしても、相手を特定したヘイト発言が犯罪であり不法行為ありどれほど危ういことなのか、この国の国民はいい加減に気づくべきだと思う。

2015年9月 2日 (水)

黒木さんの水質検査で確認された有害物質は何に起因するのか? その2

 この記事は、こちらの記事の続きである。

  京都に行っている間、Super-Kさんがブログを更新された。以下の記事だ。

 日向製錬所跡地の汚染と日向市で黒木さんが検出した汚染物質 

  この記事では、ある方が情報開示請求で入手した資料をもとに、日向製錬所の跡地における地下水汚染のことを取り上げている。ここに重要なことが書かれている。以下にその部分を引用する。

更に(株)日向製錬所は裁判の中で、黒木さんが提出した有害物質による汚染を示すデーターにはグリーンサンドに含まれない成分があると言っていますが、本当にそうでしょうか?

前に、ダストと言う言葉も気になっていると書きましたが、こちらの報告書には、ニッケル製錬所の金属炉のヒューム等を高温でニッケル酸化物にする時に発生するヒュームに、セレン、テルル、ヒ素、カドミウム、鉛が含まれるとあります。

ヒュームとは粉塵や煙、蒸気の事ですからダストともつながりそうで、他にもロータリーキルンから発生するロータリーキルンダストという物もあります。

もちろんこれらから有害物質を除去する作業も行われてはいるんでしょうけど グリーンサンドを精製する環境にこれらの有害物質は存在していると言う事です。

また、フェロニッケルスラグを水砕する時に使用する水も工業用水として、構内で循環使用しているという事ですが、どこかで洗浄が必要な訳で

下の図は汚染土壌を洗浄し排水を循環使用する時の例ですが

恐らく似た様な設備は(株)日向製錬所にもあるのだろうと思われるのですが、以前このブログに頂いた「沈殿汚泥の不法投棄かもしれない」というコメントは、この辺りの事を言っている訳です。

ツイッターでも、このシックナーから出る汚泥(図で言う脱水ケーキ)の処理がどうなっているか?と言及されていて、既に開示請求が出されているかも知れませんね。

 この説明から分かるように、黒木さんの水質検査で検出されているセレン、ヒ素、カドミウム、鉛などの有害物質は、日向製錬所に存在していると言えるだろう。

 Wikipediaの「鉱山」の「鉱害」の項には、「採掘・選鉱・製錬などの工程で発生した排水には重金属などが含まれている事から、そのまま河川に放流することはできない。このため、沈殿池などを設置し、石灰などの薬品で浄化し、重金属や有害物質を除去して河川に排水する。」という記述があり、製錬の工程で発生した重金属や有害物質を含む排水処理の際に、石灰を使っている可能性がある。もし日向製錬所で石灰による有害物質の除去が行われているとしたら、この有害物質を含む石灰の化合物はどう処理されているのかという疑問が生じる。

 それからもう一つ、よしおかさんの記事を紹介したい。

グリーンサンドには含まれないと言うフッ素やセレン等はH製錬所で使っている石炭からか? 

 よしおかさんによると、フェロニッケルの製造工程で使われる石炭の石炭灰には、ヒ素、セレン、六価クロム、フッ素、ホウ素が含まれているとのことで、これらの物質も黒木さんの水質検査で確認されている。

 こうしたことから、黒木さんの水質検査によって確認された有害物質は日向製錬所に由来するのではないかと考えるのは極めて自然だ。製錬の際に発生する有害物質の処理はどうなっているのだろうか? 有害物質の不法投棄はなかったのだろうか?

 ところで、Sper-Kさんも取り上げているが、川の白濁に関して黒木さんは以下のようにツイートで説明している。

https://twitter.com/mutsukuroki/status/632712307185872896?ref_src=twsrc%5Etfw
@HyuugaNanasi 白く濁った川の写真は、つぎの通り証拠説明書で提出済みです。 →『雨の日も工事を行っており、ダンプの行き来で道路にこぼれ、まきちらされたゴミをサンアイ従業員が ほうきで掃いて清掃するが掃いたものを拾い上げて処理することはせず、側溝側に寄せていた。(続く

https://twitter.com/mutsukuroki/status/632714828365234176?ref_src=twsrc%5Etfw
@HyuugaNanasi  寄せていたゴミが雨にうたれ溶出され、そこから白く濁った色の水が流れだしており 下流域に続いていた。」という状況でした。ですから、あれが石灰なのかは知りません。言えることはサンアイ従業員が掃いて積んだグリーンサンドのゴミから流れ出していたという事です。

 つまり、造成工事の際に道路にこぼれ落ちたスラグが作業員によって道路わきに掃いて寄せられており、雨の日にはそのスラグから白く濁った水が流れ出ていたという状況のようだ。とすると、スラグに白濁の原因となる物質が含まれていたのではないかと推測できる。

 そこで気になるのが、日向製錬所の北側にあるスラグの山である。航空写真で見ると、日向製錬所の北側にスラグの堆積場があり、その山のちょうど稜線のあたりが、まるで雪をかぶったように白くなっている。
Hyuugaseirenjo1


 これを拡大してみると、白い物質がスラグの山の上に積まれているのが見て取れる。そしてその一部は雪崩のように崩れ落ちているのが分かる。この白い物質は一体何なのだろう? 崩れ落ち方から見るなら、さらさらの粉状の物質というより、粘性のある物質が固まったもののように感じられる。そして、この白い物質の左端の部分を見ると、その白い物質はスラグと共にダンプで運ばれているように見える。
Hyuugaseirenjo2

 もし強度を上げるためにスラグに石灰を混入しているのであれば、石灰がスラグに均一に混ざるようにするのではなかろうか? しかし、この写真では均一に混ぜ込んでいるようには思えない。有害物質の処理で発生した石灰化合物をスラグと一緒に造成地に運んでいるという可能性はないだろうか? もしそのようなものが造成地に持ち込まれたなら、沈殿池から高濃度の有害物質が検出されることもあり得るのではなかろうか。  

フェロニッケルスラグそのものからは容易に有害物質が溶出されないとしても、スラグに混じて有害物質が不法投棄されているとしたなら、将来的には地下水を汚染する可能性があり、それはそれで大問題である。

 裁判とは別に、黒木さんの確認した汚染の原因を解明しない限り、日向のスラグ問題は解決しないだろう。

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