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2015年4月16日 (木)

明日に向けて

 「明日に向けて」というのは守田敏也さんのブログのタイトルでもあるのだが、私も好きな言葉のひとつだ。守田さんはブログのサブタイトルで「福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう」と書いている。困難な状況に置かれていても、過去ではなくこれからのことを考えていこうというのは、いつの時代、どんな状況においても大事なことだと思う。

 世の中には理不尽なことが山のようにある。まじめに働いても貧困から抜け出せない人たちがいるし、事故や事件で大切な人を失ってしまうこともある。親から暴力(言葉の暴力も含む)をふるわれ辛い思いをしている子どももいるだろう。あるいは、詐欺にあって財産を失ってしまう人もいる。

 そんなとき、不幸なできごとをなんでも他人のせい、過去のせいにし、不平不満ばかり言っていたならどうだろう? 結局は人を憎んで被害者と加害者の構図をつくりあげ、復讐をして恨みを晴らすという発想になってしまう。しかし、そこには憎悪の連鎖しかない。もちろん被害者が泣き寝入りをするのがいいとは思わないし、被害者が補償を求めることも必要だろう。しかし、過去にこだわり、不幸の原因のすべてを他人のせいにすることの先にあるのは憎しみであり争いであり、平和ではない。

 他人をいじめたり嫌がらせをするという行為も同じで、気に入らない人物を自分のストレスや不平不満のはけ口にしているのだ。第三者が見れば、恥ずかしくみっともない行為でしかない。

 自分の不幸をすべて他人や環境のせいにして他者を恨み続ける人がいる。その一方で、どんな劣悪な環境に置かれても希望を失わないでいられる人もいる。その違いは、自分の責任をきちんと理解し、過去ではなくこれからのことを考えられるか否かではなかろうか。自分の責任を自覚している人は、他人を責め、攻撃することはしない。常にまわりの人々に感謝する気持ちを失わず、批判的精神を持ちながらも自分ができることを考え、よりよい未来を築くために努力を惜しまない。守田さんのブログを読んでいると、いつも彼のそんな人柄を感じる。

 自分で決めたことから生じた結果は自分が責任をとらねばならない。自分の責任を棚に上げてすべて相手が悪いと攻撃していたなら、円満な解決などあり得ない。互いに相手の責任を追及するだけではなく、自分の責任も認めるところに平和的解決がある。

 だからといって政治や不正に対して怒りを持つなとか批判をするなというつもりもない。権力者に騙されないように批判的な精神を持つことは大事だ。私が言いたいのは、悪政や不正を怒ったり恨んだりしているだけでは何も解決しないということだ。社会に対して抱く怒りにはそれ相応の解決方法がある。たとえば原発問題であれば、論理的に危険性を指摘して反対の声を上げたり、市民運動に参加したり、裁判に訴えたり、脱原発の候補者に投票したりすることで解決すべきだ。東電の責任者や社員を吊るしあげたところで責任のなすり合いになり、憎悪の連鎖を招くだけだろう。個人個人によって程度の違いはあるものの、原発を容認してきた私たち一人ひとりの責任も忘れてはならない。

 民事的な紛争が生じた場合も同じで、まずは話し合いによる解決を模索すべきだろう。憎悪をむき出しにして相手を攻撃し、自分の責任については言い訳、屁理屈による自己正当化をしたところで見苦しいだけだし、人間関係を悪化させるだけでますます平和的解決が遠のいてしまう。紛争の当事者は自分の責任もきちんと自覚することが大切だ。当事者だけで解決が困難な状況になってしまったら第三者を交えての話し合いで解決すべきだろう。

 以前にも書いたが、私には他者を敵とか味方に分けるような意識はない。日本を戦争に巻き込もうとしている安倍首相は大嫌いだけれど、だからといって敵だとは思わない。金の亡者となり原発を推し進めようと画策している人たちも嫌いな人たちだが、彼らとて価値観が異なる人でしかない。若い人たちの今後のことを考えるとどうしても彼らの言動を批判はするけれど、決して敵だという意識はない。

 敵と味方、加害者と被害者という対立軸でしか物事を捉えられなくなると、そこにはどうしても争いが生じてしまうし、平和的解決は望めない。

 他人への恨みつらみに拘ることに果たしてどれほどの意味があるのだろうか? 他人を恨みつづける先に平和な社会も精神的な平穏もあり得ない。過去を変えることができない以上、私たちの前には未来しかないのだ。報復という思考から脱却し、明日に向けて行動することを抜きにして平和な社会の構築はあり得ないと私は思う。

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