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2014年11月12日 (水)

片瀬久美子氏の「きのこ」氏告訴は力で言論を封じ込める行為

 科学ライターの片瀬久美子氏が、「きのこ組組長」の「きのこ」氏を刑事告訴したという。以下は片瀬久美子氏の告訴を告知する記事。

名誉毀損で刑事告訴しました(warblerの日記)

 これに対する「きのこ」氏のブログ記事が以下。片瀬久美子氏に対して逆告訴すると言っている。どうも告訴合戦の様相を呈してきた。

 片瀬久美子は絶対に、許さない! (建築とかあれこれ のろいもあれこれ)
ずさんなトリック (建築とかあれこれ のろいもあれこれ)

 片瀬久美子氏が告訴の根拠とした「きのこ」氏の記事のひとつは、どうやらこれのようだ。

 「美味しんぼ」叩きの3ババトリオご紹介 (建築とかあれこれ のろいもあれこれ)

 「きのこ」氏はこう書いている。

一個3千円の線量バッジ(安物ガラスバッジ)を
2万円で売り、
1万7千円をボロ儲け
その数30万個

 片瀬氏はこの発言を、自分が線量バッジを売って儲けたという嘘を書かれたと解釈したようだ。

 もし自分に関して間違ったことを書かれたなら、相手に間違いを指摘して訂正なり削除を求め、また自身で反論をすればすむことだろう。それこそ、「書く」ことを本業とする者がとる態度だ。また、上記でとりあげた「線量バッチで儲けた」という記述は主語がなく、片瀬氏のことを指しているとは言えない。記事の最後に貼り付けてある線量計配布についての解説を読めば、配布したのは福島県であり片瀬氏らのことを指しているのではないことは明らかだ。どうも、片瀬氏は早とちりしたのではなかろうか。

 片瀬氏は科学ライターとして、とりわけ「ニセ科学批判」の立場から詐欺的商法などを取り上げさまざまな批判活動をしてきた。その内容はともかくとして、悪質商法に騙されないように注意喚起するのは大いに結構だろう。しかし、自分が批判や論評をする以上、それに対する反論や批判があるというのは当たり前のことだ。

 片瀬氏が「ニセ科学批判」の人たちと一緒になって放射能の危険を指摘する人たちを批判していたのは確かであり、私はその主張には科学的根拠が極めて乏しいと常々感じていた。また、片瀬氏はSTAP細胞問題で小保方晴子氏の捏造説を主張していたが、私は小保方氏が捏造したとは考えていない。お二人の論調のどちらを支持するかと言えば、「きのこ」氏になる。

 一方、「きのこ」氏の片瀬久美子氏批判も過激さを感じざるを得ない。批判や論評をすること自体は大いに結構だと思うのだが、「3ババトリオ」とか「ネットチンピラ」という表現は言いすぎのように思う。批判や論評であれば、事実をわかりやすく書き、問題点を指摘したり自分の意見を具体的に説明すれば事足りる。

 批判に付随して多少の皮肉や揶揄は許されるとしても、感情的になって罵倒したり人格否定のような書き方をすべきではない。「きのこ」氏に限ったことではないが、例えば「馬鹿」とか「クズ」、「低能」、「低レベル」などといった相手を見下す表現は慎むべきだ。このような書き方は批判を通り越して悪口でしかないし、相手に喧嘩をふっかけているも同然だろう。

 それから、ときどき他者から批判されると「攻撃」とか「妨害」と言う人がいる。しかし具体的に理由を書いて批判的意見を言うことがなぜ攻撃とか妨害になるのだろうか。言論に言論で対抗できないから「攻撃」とか「妨害」などと言って自分があたかも被害者であるかのように思わせるのだろう。

 あるいは、このような人は他者を「敵」とか「味方」に分ける習慣がついているのかもしれない。しかし、他者を敵と味方に分けるというのは私には理解しがたい。私はどんなに意見が合わない人であっても「敵」だとは思わない。世の中には好きになれない人が確かにいるが、だからといって「敵」だとは思わない。また、知人・友人だからといって「味方」という意識もない。自分を批判する人を「敵」だと考える人は競争意識が強く、常に自分が上に立たねばならないと警戒する癖がついているのだろうか。自分自身が攻撃的だからこそ、相手が「敵」で「攻撃的」に見えるのかもしれない。

 しかし、片瀬氏と「きのこ」氏のような言い争いが、刑事事件として扱われてしまうということにこの国の言論の自由の危うさを感じざるを得ない。たしかに名誉毀損は犯罪でもあるし、誰もが訴える権利があることは否定しない。しかし、反論が可能なネット上の言い争いに対し、刑事告訴という手段を使い犯罪者だと主張するのはあまりに大人げない。

 山崎行太郎氏も指摘しているが、言論に対しては言論で対応するのが基本だ。公の場で自分の意見を主張し他者の批判をしているのなら、自分が他者から批判されるのは当たり前だし、それが言論の自由というものだ。ライターと称している者が、力で言論を阻止しようなどと思うこと自体が情けない。

 「片瀬久美子・刑事告訴・事件」の黒い霧。「小保方博士バッシング報道事件」と「片瀬久美子【掲示告訴】事件」の裏を読む。 (哲学者=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』)

 山崎行太郎氏の以下の言葉を引用しておきたい。

そもそも片瀬久美子は、「エセ医学批判」、民間療法バッシング」や子宮頸癌ワクチン薬害問題(推進派)」放射能=原発問題」「スタップ細胞事件」など、今、日本国民が関心を持ち続けている諸問題で、かなり過激な言論活動を、ネットやTwitterなどで、やって来た人である。論敵が、多数、存在し、反論反撃を受けて当然、の立場にいる人だろう。

批評・批判・罵倒、誹謗中傷・・・などを恐れるならば、言論活動を自粛すればいい。自分からは批評・批判・罵倒を繰り返すが、自分に反論反撃することは、許さない、というのは、問題外である。

片瀬久美子は、学問や思想、論争や言論戦レベルの問題を、そのレベルで対処出来ずに、警察や裁判所に、問題を委ねる時点で、あるいは警察や裁判所に駆け込んだ時点で、言論人失格、ジャーナリスト失格、学者思想家失格である。

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