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2014年9月17日 (水)

異常気象で危険が増大している首都圏

 守田敏也さんが東京新聞の記事を元に非常に重要な指摘をされていたので、紹介したい。

東京は世界一危ない都市・・・警鐘「首都沈没」(東京新聞より) (明日に向けて)

 簡単に言ってしまうと、関東平野は山に囲まれ東京湾に向かって緩く傾斜しているので、堤防が決壊したら首都圏は大洪水に見舞われ、日本は機能を失うというのだ。

 3.11以来、首都圏を襲う大地震や大津波の危険性、あるいは富士山噴火による降灰の被害などについてはしばしば報道されてきた。しかし、堤防の破堤による洪水被害に関しては、ほとんど知られていないのではなかろうか。

 守田さんも指摘しているように、江戸時代の治水は堤防の間に水を閉じ込めるのではなく、意図的に堤防から溢れさせることで決壊を防ぐというものだった。霞堤も同じような考え方だ。そして、溢れたときには防水林によって水の勢いを落とすという仕組みが造られていた。昔の日本人は自然の摂理に逆らわない治水をしていたのだ。

 ところが、ヨーロッパで発達した土木技術を導入したことでこうした優れた治水は廃れ、堤防とダムで水を抑え込む治水工事が進められてしまった。その結果、破堤した場合はとんでもない被害が生じるようになったのだ。ヨーロッパでは封じ込める治水が誤りであったことを認め、かつて日本で行われていたような「溢れさせる治水」に方向転換している。

 ところが日本の役所というのは、自分たちの過ちを決して認めようとはしない。だから、河川管理者は相変わらずダムだ、堤防だといって水を封じ込める治水にこだわり続けている。欧米では実行できていることが、日本ではできない。否、分かっていてもしようとしないのだ。

 昨今は地球温暖化で異常気象が激増していると言われている。毎年のように各地でゲリラ豪雨と呼ばれる集中豪雨があり、土砂災害や洪水被害で大きな被害が出ている。かつてのように「溢れされる治水」を維持していれば、洪水で浸水するところは居住地にできるわけがない。しかし「封じ込める治水」へと転換したために、洪水被害のことなど頭から消え去り、川のすぐ近くも宅地にしてしまった。「封じ込める治水」が洪水被害のリスクを大きくしているのだ。

 洪水に対してもっとも高いリスクを抱えているのが首都圏ということになる。本来東京湾に注いでいた利根川を大改修して大量の水を堤防で封じ込めているために、万一堤防が決壊したなら、大量の水が東京湾に向かって、すなわち首都圏に向かって流れ込むことになる。それが首都東京の置かれている状況だ。

 集中豪雨で洪水被害が出るたびに、相変わらず「堤防の強化やかさ上げ」「ダムによる治水」を声高に主張する人がいる。しかし、堤防もダムも限界があり想定外の大雨には対処できない。3.11の大津波には巨大防潮堤が役に立たなかったように・・・。

 いいかげんに「水を封じ込める治水」を転換していく必要があるだろう。とは言っても危険な地域に住む人たちをすぐに移住させることなど不可能だ。ならば今抱えている危険な状況を多くの人に知ってもらうために、堤防決壊のハザードマップを住民に配布すべきだ。あとは各自でできる対策(記事ではライフジャケットやペットボトルなどの用意を勧めている)をするしかない。

 それにしても、河川管理者はこういうリスクについて分かっているに違いない。にも関わらず首都圏の人には知らせない。この国がいかに国民の命をないがしろにしているかが分かる。

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