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2014年9月19日 (金)

道路脇に生きるエゾマツムシソウ

 先日、浜大樹の海岸のエゾマツムシソウのことを書いたが、北海道のエゾマツムシソウの分布東限のことが気になって、再び十勝の海岸に出かけた。

 ネット情報によると晩成温泉のあたりには間違いなくあるのだが、それより東での情報が出てこない。晩成以東には分布していないのだろうか? そう思ってまず行ったのが十勝太(浦幌十勝川の河口)だ。ここは河口の左岸に海食崖が続いており、台地の上にはガンコウランの群落もある。浜大樹と似た環境があり、エゾマツムシソウが生育していてもおかしくない。海食崖の上を昆布刈石方面に向かってしばらく進んだが、残念ながら見つけることはできなかった。

 台地の下の河口部も覗いたが、ここも海浜植物ばかりでありそうにない。ついでに豊北原生花園にも行ってみた。ここにはガンコウランの広大な群落があり、コケモモやハナゴケもある。しかし、目を凝らして薄紫の花を探したが見つけることはできなかった。

 そこで、晩成に向かった。まず晩成の海岸に降りて下から台地の縁を見上げたが、エゾマツムシソウの薄紫の花は確認できない。温泉のある台地上にもどって生花苗沼方面へと道を進むと、舗装道路の脇にエゾマツムシソウが咲いている。道路脇にはコハマギクやエゾフウロもある。

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 生花苗沼は、海岸に沿って沼の一部が南西に細長く伸びている。エゾマツムシソウはその海食崖の縁にもあるのだが、人為的な環境である道路脇にも広がっているのだ。

 生花苗沼から引き返し、ホロカヤントウ沼も覗いてみた。以前来た時にはあったキャンプ場の小さな小屋と炊事棟がなくなっていた。海岸浸食が進み、取り壊したのだろう。ここの砂洲にもガンコウランの群落があるが、そこにはエゾマツムシソウは見られない。エゾマツムシソウがあるのは、やはり道路脇だった。

 エゾマツムシソウは海岸の砂地では生育できないようだ。海食崖の上や、ある程度安定した崖地に生育している。また草丈の低いエゾマツムシソウは、高茎草本が繁るところでは生きてはいけない。ササなどが繁茂しているところには生育できないが、草丈の低いガンコウランなどとなら共生できる。こうした限られた条件下で生き続けてきた植物と言えそうだ。

 道路脇は道路管理者によって草刈りが行われているのだが、この草刈りがエゾマツムシソウの生育を可能にしているのだ。もし草刈りをしなくなったら、高茎植物が繁茂して道エゾマツムシソウは消えてしまうだろう。

 さて、生花苗沼の南部にまでエゾマツムシソウが分布していることは分かった。しかし生花苗沼以東にも海食崖はあるので、ここが東限だと言い切ることはできない。

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