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2014年9月28日 (日)

汚染を拡大させる除染土の全国処分

 今日のNHKニュースで以下の報道があった。

 除染で出た土「最終処分」法案まとまる(NHKニュース)

福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設について、政府は、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を取ることを定めた法案をまとめました。
今後、法案を閣議決定したうえで今月29日に召集される臨時国会に提出する方針です。

政府は、中間貯蔵施設で保管する除染で出た土などについて、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了する方針で、地元の要望を受けて、こうした内容を定めた法律の改正案をまとめました。
具体的には、有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルの処理を行う国の特殊会社について定めた法律を改正し、この会社が中間貯蔵施設に関する事業を行うとしています。
そして、国の責務として中間貯蔵施設を整備し安全を確保するとともに、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を取るとしています。
また、土などに含まれる放射性物質の濃度を低くしたり再生利用したりする技術開発などの状況を踏まえ、最終処分の方法を検討するとしています。
政府は、改正案を閣議決定したうえで今月29日に招集される臨時国会に提出する方針で、今後、最終処分に向けた具体策を早期に示すことができるかが課題となります。

 ツイッターでも、PCBの処理を行う会社が全国で除染土の処理を行うという情報が拡散されていたが、その根拠はこの法案だろう。

 この法案は29日、つまり明日の臨時国会に提出される予定とのこと。この法案が通れば、福島で保管されている大量の汚染土が全国で処理され、再利用した製品が出回ることになると推測される。いくら放射性物質の濃度を低くする処理をするからといっても完全に除去できるわけではないだろうし、セシウム以外にもストロンチウムやプルトニウムなどが含まれているだろう。

 ニュース記事では「30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置をとる」となっている。気をつけねばならないのは、あくまでも「30年以内」ということだ。来年でも再来年でも30年以内だから、法案が成立すればすぐにでも県外での処理が始まる可能性があるのではなかろうか。

 除染土は増える一方だろうし、土を入れている袋も劣化してきている。不法投棄も問題になっている。福島県としては少しでも早く汚染土を処分したいと思っているに違いない。

 しかし、放射性物質を全国に拡散させるというやり方はとても容認できない。放射性物質は閉じ込めるのが原則であり、拡散させるという国の方針は明らかに原則に反している。この法案を通さないように声を上げるべきだと思う。

 そもそも、いくら除染しても放射性物質を取り除くことはできない。チェルノブイリでは穴を掘って汚染された家を埋めてしまったところもある。除染の限界を認識するべきだ。

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