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2013年11月 1日 (金)

スノーデン氏と秘密保護法

 元CIA職員のスノーデン氏の告発によって、米国の情報機関であるNSAによる盗聴などが次々と暴露された。在米公館の盗聴やメルケル首相の携帯電話の盗聴などなど、ヨーロッパでは大きな怒りや抗議の声が上がっている。

摘発すべきはアサンジ氏スノーデン氏ではなく米政府(植草一秀の『知られざる真実』)

 誰もが自分の電話が盗聴されたり、メールが盗み見られていたなら強い憤りや不安を感じるし、許しがたいという気持ちが湧くのが自然だ。盗聴などということはあってはならない。信頼を裏切る行為をしている米国が非難されるのは当たり前だ。

 ところが、日本のメディアはスノーデン氏のことをあまり大きく取り上げないし、在米公館の盗聴に関してもなんの抗議もしない。それもそのはず、この国は秘密保護法の制定と日本版NSC創設で米国と同じ道を歩もうとしているからだ。

 今日の北海道新聞の「各自核論」というコーナーで、ジャーナリストの堤未果氏が秘密保護法について書いているのだが、その一部を以下に引用したい。

 だがもっと重要なことは、この法案が今欧州で最も危険視されている米国NSAの複製、「日本版NSC(国家安全保障会議)創設案」とセットになっている事だろう。この二つの法も組み合わさる事で政府に強大な権限を与える効果を発揮する。その証拠にCIA(米中央情報局)のスノーデン元職員のようなNSA内部告発者が後を絶たない米国では、現在この「秘密保護法」にあたる「公職機密法」の導入を検討中だ。政府の暴走を防ぐために、現行法では大統領であっても、個人的なメモやメール、全ての資料が記録され、その後公文書管理下におかれる。だが「公職機密法」が通過すれば、同国はさらなる秘密国家体制へと向かうだろう。

 スノーデン氏などの告発に対して米国が取ろうとしている対処は、盗聴をなくすということではなく、「公職機密法」をつくってますます秘密を隠すということだ。

 ところで、日本版NSC(国家安全保障会議)は安倍首相が6年前以上も前から設置を目論んでいるのだが、中身は以下が参考になる。集団的自衛権行使の解禁が主目的といっていいだろう。

日本版NSC(国家安全保障会議)の恐ろしさ(反戦な家づくり)

 秘密保護法は、国民の「知る権利」を奪い、告発者を処罰し、国民をがんじがらめにしてしまう恐るべき法律だ。しかも、何が特定秘密に該当するのかも分からない。原発に関することも、被ばくによる健康被害のことも、TPPのことも、基地問題も、何もかも秘密になりかねない。情報公開で公文書を開示請求しても、黒塗りだらけになってしまうだろう(今でも肝心なことは黒塗りになっていることが多いが)。そして、普通の市民が簡単に犯罪者として逮捕されかねない。

 自民党が政権をとり、国会のねじれも解消した今、自民党は暴走を始めている。消費税増税、TPPへの参加、秘密保護法、日本版NSC、そして改憲・・・。弱者に負担を押しつけ、情報を統制し、内部告発を封じ込め、主権者である国民を縛りつけ、米国の属国になろうとしている。これを放置すれば、簡単に戦前のような体制ができあがるだろう。

 ところが驚くことに、先日の共同通信の実施した世論調査によると、秘密保護法に反対の国民は50.6%しかいないという。インターネットが発達し、これほどまで一般の人たちが情報を得られやすくなったにも関わらず、多くの人が秘密保護法の危険性に気づいていないようだ。

 日本国民の危機意識の低さはどうにもならないのだろうか。

秘密保護法に反対(秘密保全法制対策本部) (日本弁護士連合会)

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コメント

 NSAやCIAによる秘密情報通信傍受が問題になっているが、一番問題にすべき点は「エシュロン」であろう。少なくとも、この世界的通信傍受網である「エシュロン」システムを世界的に問題討議すべきである。そして、メディアは「エシュロン」というキーワードをオープンに報道をすべきだ。
 エドワード・スノーデンの告発により、PRISMで有線データ通信さえも盗聴されていることが明らかになった。この「エシュロン」の告発と問題提議は「スノーデン」の功績とも言える。ちなみに、90年代後半、テレビ東京が日本で初めて、「エシュロン」の存在を報道したことを記憶している。
 日本には青森の三沢基地内や都内大使館にあるとも、神戸のスーパーコンピューター「京」が関わっていると噂されている。
 今「特定秘密保護法案」の問題も、中国からの情報をこの「エシュロン」で得る為の準備になのであろうか、「米が日本に通信傍受協力打診」の情報から点と点が繋がって見えてくる。
 「エシュロン」という「ビッグブラザー」の原型システムが、加盟国以外の世界中の国々で討議され、その闇の存在に光を当ててゆく作業をしなければならない時代になっている。今はもはや「近未来という監視社会」であると。
http://ja.wikipedia.org/wiki/エシュロン

林さん

重要な指摘、ありがとうございました。
スノーデン氏の有線通信も盗聴されていたという告発にはぞっとしましたが、盗聴のためには何でもありですね。そして、こういうこともすべて秘密にされつつある・・・。きわめて恐ろしい時代に入っているという気がします。

盗聴だけでなく、テレビでちょっと原発などの体制側の意に反する意見を言っただけで、痴漢の容疑者にされて、メディアから干されてしまう。当然このこの鬼蜘蛛おばさんのブログもエシュロンでキーワード検索されてチェックされており、エシュロンという言葉が行き交うだけでテロリスト予備軍にされてしまう。ほんとに徹底的に管理されたおそろしい時代になってしまったものです。自分の身は自分で守るしかないといういうことですね~

飯嶋さん

個人のブログはもとより、市民運動をしている人たちやデモに参加している人たちなどの情報がチェックされ、監視されるんでしょうね。それが怖くて自分の意見を発言しない人も出てくるのでしょう。

秘密保護法といい日本版NSCといい、国民を監視して戦争のできる国にまっしぐら、という感じですね。本当にとんでもない状況になってきました。

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