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2013年9月27日 (金)

世界最悪の原発事故と明らかにされた内部被曝

 ここ一週間ほど風邪で体調を崩していたのだが、その間に気になるニュースが二つあった。ひとつは、EUの機関が福一からの放射性セシウムの大気中放出量はチェルノブイリの3倍の21京であると算出していたということ。

福島からの放射性セシウムの大気放出量はチェルノブイリの3倍とEU機関計算(エビデンスに基づく考察)

 たしか日本では福一からの放射性セシウムの放出量はチェルノブイリよりはるかに少ないと報じられていた。だから大きな健康被害は起きないだろうという人もいた。しかし、チェルノブイリの3倍という数値のほうが正しいとしたら、あまりの違いに愕然とするし、事故の評価そのものに大きな修正を迫られることになるだろう。

 日本の場合、土壌汚染の面積はチェルノブイリより狭いのだが、島国である日本では放射能プルームの大半が太平洋に流れたために、チェルノブイリより被害が小さく汚染も少なかったように見えているだけなのかもしれない。もちろん、EU機関の計算が正しいかどうかは分からない。また、仮に真実に近かったとしても、放射能の大半が海に流れたのであれば健康被害がチェルノブイリの3倍になるということにもならないだろう。しかし、日本では放出量がかなり過小に推定されている可能性は否めない。

 日本の場合、さらに海に大量の放射性物質が垂れ流され続けているのであり、大気だけでなく海への放出量も含めたなら、とんでもない数値になるだろう。事故レベルから見てもチェルノブイリをはるかに超えた世界最悪の事故だし、収束の目途が立たず2年半以上が経過した今でも危険な状態が続いている点でも、世界最悪だ。

 もう一つのニュースは、週刊朝日に掲載された関東地方の子ども達の尿検査のことである。茨城県の常総生活協同組合が、松戸、柏、つくば、取手など千葉、茨城の15市町の子ども達を対象に行った尿検査から、次々とセシウムが検出されているという。

セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度 

 子ども達の7割から1ベクレル以下のセシウムが検出されており、最高値は1リットル当たり1.683ベクレルとのこと。また、子どもだけではなく大人からもセシウムが検出されている。この検査は2012年11月から始められたが、検査対象の146人が検査を終える来年明けごろにはその数がさらに増えると予測されるという。

 今年の4月に早野龍五氏らによる「福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果-福島第一原発事故7ー20ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量-」という論文が発表され、ホールボディカウンターによる検査で、福島の子どもたちから予測されたほどの内部被曝が認められなかったという報道がなされたことは多くの人が記憶しているだろう。

 しかし、早野氏らの調査とは裏腹に、関東地方の子ども達にまでセシウムの内部被曝が広がっているのは確実だ。週刊朝日に掲載された記事では矢ヶ崎氏の以下の指摘がある。

 矢ケ崎氏は、尿中に含まれるセシウム137がガンマ線だけ勘定して1ベクレルだとすれば、ベータ線も考慮すると体内に大人でおよそ240ベクレルのセシウムが存在し、それに加えてストロンチウム90もセシウムの半分程度あるとみる。

 体に入ったセシウムは大人約80日、子ども約40日の半減期で排出されるが、食物摂取で体内被曝し、放射線を発する状態が続くことが危険だと言う。

 今回の検査では1ベクレル以下が圧倒的のようだが、だからといって決して安心できる数値ではない。毎日食べなければならない食品にある程度セシウムが含まれている以上、内部被曝をし続けることになってしまうからだ。

 昨年、東北で水揚げされたサンマやサバからもセシウムが検出されているそうだが、あれだけ汚染水が出続けているのだから当然だろう。魚の場合はセシウムだけではなくトリチウムやストロンチウムの汚染もとても気になる。先日、福島で漁が再開されるとのニュースが流れたが、いったいどういう検査をして「福島の魚の安全が確認された」ということになったのだろう?

 とにかく、政府やマスコミの言っていることをそのまま信じていたなら、私たちは健康を守ることはできそうにない。産地を確かめて食品を買っても、産地偽装は当たり前のようにある。産地を気にすることなくいろいろな食品を買うことができた数年前が何となつかしいことか。若い人たちは、これからずっと放射能を気にし、健康被害を気にして生きていかねばならないのだ。こんな国にしてしまったことの大人たちの責任を考えずにいられない。

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コメント

謹啓、ネイチャーなる世界的自然科学誌の論文にペットCTの被爆が20mシーベルト胸部や腹部のCTスキャンが7乃至9mシーベルトで発癌や老化が有意に増加する事実が証明されて居りました。内部被曝を軽視するマスメディア、政府は金の亡者、悪魔に良心を売り渡した極悪人と認識致します。敬具

関さんこんばんは。

CTスキャンなどによる外部被ばくですら健康被害を及ぼすのです。低線量であっても内部被ばくは少しずつ体を蝕んでいきます。数ベクレルの食品でも危険だと考えるべきでしょう。

日本の食品の基準値はあまりに高すぎです。だから、大半の食品が「基準値以下だから安全」ということになっています。これではとても低線量内部被ばくを防ぐことはできません。

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