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2013年9月13日 (金)

ミツバチの大量死をめぐるNHKの偏向報道

 昨日に続いてNHKの偏向報道の話題で恐縮だが、12日放送のNHKクローズアップ現代の報道について指摘しておきたい。12日のクロ現は「謎のミツバチ大量死」だった。放送内容の概略は以下。

 10年ほど前から世界中でミツバチの大量死が問題となっている。ミツバチの大量死はダニ、ウイルス、ストレス、異常気象などさまざまな要因が考えられるが、科学雑誌にネオニコチノイド系農薬が原因であるという論文が発表され、EUでは予防原則のもとにネオニコチノイド系の3種の農薬について2年間の使用禁止を決めた。ただし、農薬会社などは因果関係が不十分だと主張している。また、農薬をコーティングした種子を使っている農家は、規制はリスクが大きいと懸念している。日本では稲の害虫であるカメムシの防除などにネオニコチノイド系の農薬が使われている。長崎では養蜂業者と農家が協議して農薬を自粛する取り組みが始められており、効果があがっている。具体的には、養蜂業者が農薬の使用を自粛した農家にレンゲの種をプレゼントし、肥料として利用してもらう(レンゲの花はミツバチの吸蜜植物にもなる)というもの。

 番組で強調していたのは、ネオニコチノイド系の農薬とミツバチの大量死との因果関係が明確になっていないという点と、農薬を使わないと農業に大きな打撃があるという点だった。ただし、直接の利害関係者である農薬会社の主張を流して「証明されていない」というのでは説得力に欠ける。因果関係が証明されていないというのなら、それを示す実験結果や科学論文を提示すべきだろう。また、ネオニコチノイド系農薬が広く使われるようになってからミツバチの大量死が報告されるようになってきたのは事実だ。農薬とミツバチの大量死には何らかの関係があると考えるのが自然だろう。

 長崎の取り組みでも「効果が出ている」としていた。ならば、因果関係がある可能性が高いのではなかろうか。ところが、放送では因果関係のことを意図的に曖昧にしているように感じられた。

 また、日本の場合は米のカメムシ防除のためにネオニコチノイド系農薬が多用されている。これについては以前書いている通り、カメムシによる斑点米を少なくするためなのだが、精米することで斑点はほとんど消失するし、食べても全く問題ない。つまりカメムシの防除など必要ないのだ。

カメムシ防除の陰にあるもの 

カメムシ・スキャンダル 

 もちろんNHKはこのようなことは全く報じない。さらに問題なのは、EU各国ではすでにネオニコチノイド系農薬の使用をかなり厳しく制限しているし、アメリカでも日本より厳しい基準値になっているということだ。以下参照。

ネオニコチノイド系農薬散布によるミツバチ被害の実情(俵 養蜂場・ビーラボクリニック ライブラリー)

 日本では、ネオニコチノイド系農薬の残留基準値は、欧米に比べて驚くほど緩くなっているそうだ。しかも主食の米に、必要のないカメムシ防除を理由に大量に散布しているのである。

 このようなことを何も報じずに、因果関係が十分に証明されていないことや農業への影響ばかり強調するのは、農薬会社に配慮しているとしか思えない。農業への影響が大きいといっても農薬は生態系や人間の健康を蝕んでいくのであり、決して無視することのできない大きな問題だ。その解決なくして健全な農業などあり得ない。

 私もNHKから電話取材を受けたことがあるが、報道にあったては相当広く情報を収集している。しかし、もちろん実際に報道するのは知り得た情報のごく一部である。そして情報の取捨選択には多分にバイアスがかかっており、予定しているストーリーと異なること、業界などから圧力がかかりそうなことはまず報じない。

 たとえNHKの報道に嘘がないとしても、重要なことを隠蔽している。意図的に重要なことを隠蔽すれば、それはまさしく情報操作であり偏向報道である。NHKの偏向報道には辟易とする。

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コメント

「意図的に重要なことを隠蔽すれば、それはまさしく情報操作であり偏向報道である」
当にそうですね。全く同感です。

元々大本営放送局のNHKですが、昔は今より少しはマシな面も少しはあったように思います。ですが、電通が強く影響し出してからどんどん酷さを増して、今では目も当てられません。
番組コンテンツの低レベル化も顕著。バラエティ系番組の馬鹿振りはお寒い限り。民放と同じお笑い芸人やAKB出してどこが公共放送だと言いたいです。特にEテレなんかアレ何なんでしょう?若いモデルのような娘を出しとけば馬鹿な男も釣られて観るだろうという魂胆が見え見えで寒気がします。こんな放送局にお布施する国民も国民です。おかしいと感じている人は、もっとNO!と意思表示をすべきではないでしょうか。ありがたがって払いたい人だけが払えばよろしい。

NHKを筆頭にテレビの批判し出したら止まらないのでこの辺で失礼致します。笑

昭和35年さん

私はほとんどテレビを見ないのですが、NHKはどんどん低レベル化、民放化してきていますね。視聴者の減少を食い止めたいのであれば、まずは偏向放送をなくして体制・権力者と対峙する姿勢を明確にし、メディアとしての存在感を示すべきです。ところがやっていることは逆。しかも、場合によっては民放の方がまともな報道をします。

たしかに以前のほうが少しマシだったかも知れません。

小生もTVは観ないようにしてから随分経ちます。
嫌いになった主な理由は、NHKの偏向加減、民放のお笑い番組、夜間何度も繰り返される洗脳パチンコCMの嫌らしさ等です。特に、パチンコCMに対する拒否反応が酷く、あれは完全に公害とか犯罪レベルだと思っています。もっとも、それ以前にTV番組のほとんどに関心が向かないのですけど。

ただ、最近はニュース関係だけは敢えて観るようにしています。ニュースが全く取り上げなかったり(隠蔽)、やけに強調している(誘導)、事象に対して一方的なコメントが多い(印象操作)、といった点に注意して観てると、どんな話題をどういう方向に世論操作したいのか明確に見えてきますから、まあまあ面白かったりします。
このミツバチの件も、最終的な落とし所が実にNHKらしいですよね。笑
 ・・・って、笑ってる場合じゃないです。

ミツバチは人間の食に関わる非常に重要な存在ですし、実は人にも懐いたりする、とても可愛らしい昆虫ですよね。先月まではウチのヒマワリ畑にもよく来てくれてました。来年も何事もなく元気な姿を見せて欲しいものです。
が、そんなミツバチを殺してしまう農薬を作るモンサント、積極的に使う農家、それを推奨する国の馬鹿役人達・・・。もうこの国は一体なんでしょう。人の神経を逆撫でするような事ばかりやる。やはりどう考えても人口を減らす魂胆としか・・・。

文句を言い出したらまた止まらなくなりそうですので、この辺で失礼致します。^^

昭和35年さん

私もテレビ番組の大半は見る気がしませんし、テレビを見なくてもまったく問題ありません。ですので、たまにクローズアップ現代とかNHKスペシャルなどを見るくらいですが、それも偏向報道ばかりなので、鵜呑みにはしないようにしています。ニュースはラジオと新聞、インターネットで十分です。

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