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2013年8月19日 (月)

福島の野生生物に起きている異変

 環境ジャーナリストの青木泰さんが、ティモシー・ムソー氏の「チェルノブイリと福島の野生生物研究における主要な発見」という講演会の報告をしている。

729ティモシー・ムソー講演会報告 放射能の影響 生物界に異変 

 青木さんは講演内容を以下のように簡潔にまとめている。

・被曝に応じて、遺伝子への損傷がふえている。
・奇形や発育異常が出ている。
・出生率や寿命が低下し、集団の規模が縮小している。
・突然変異が世代を超えて伝えられている。

 原発事故からまだ2年半だが、すでに野鳥などの野生生物にさまざまな奇形が出ているほか、鳥類の個体数が66%減少していたり、生物多様性が50%も減少しているそうだ。懸念されるのは、福島の鳥類の方がチェルノブイリに比べ被ばく量が多いという報告だ。これはかなり深刻な状況を意味しているのではなかろうか。

 日本でも琉球大の大瀧丈二氏の研究チームがヤマトシジミの奇形について報告している。しかし、このヤマトシジミの研究は、研究費がカットされてしまったと聞く。

 そうした背景には、被ばくの影響を隠蔽したいという国の意向が伺える。もし、チェルノブイリより被ばく量が多いとか、奇形の割合が多いなどということが明らかになれば、人への影響もチェルノブイリと同等ないしはそれ以上になる可能性も否定できない。福島の方が汚染面積は狭いとしても、人口は多いのだ。また、野生生物において突然変異が世代を超えて伝えられているなら、被ばくによる影響は遺伝しないという主張も崩れてしまうだろう。放射能汚染を知らない野生動物は、被ばくの恐怖によるストレスもないから「ストレス論」も否定される。日本政府は絶対に隠したいに違いない。

 ところで、以下の記事は原発事故から2カ月半ほどしか経っていない2011年5月30日の現代ビジネスのものだ。早野龍五氏らのホールボディカウンター検査による安心論によって忘れられているのではないかと思えるのだが、今一度読むべきだと思う。

安全基準を超えた「内部被曝」(要精密検査)すでに4766人、異常値を示した人1193人 

 2ページ目の記事をよく読んでいただきたい。ホールボディカウンターによる計測結果で4956件の内部被曝が発覚し、そのうちの4766件が現場作業員でもなんでもない、ただ福島に立ちよったことがあるだけの人だったというのだ。しかも1193件が1万cpmという異常な被ばくをしていたという。この時点で、すでに被ばく量が「福島はチェルノブイリを超えているかもしれない」と書かれている。

 これは「福島の鳥類の方がチェルノブイリより被ばく量が多いかもしれない」というティモシー氏の報告とも一致する。体が小さく世代交代も早い昆虫や野鳥などでは人より早く被ばくの影響が出るのは何ら不思議ではない。

 日本が被ばくに対してやるべきことは何か? 事実を隠すことなく報じること、避難の権利を認め十分な補償をすること、健康被害に対し十分な支援と補償をすること、検査体制を充実させること、農業や漁業の被害を補償し汚染食品を流通させないこと等ではなかろうか。ところが実際にやっているのは医学関係者を巻き込んだ隠蔽である。何という国なのだろうかと愕然とする。

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