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2013年6月29日 (土)

隠しきれない甲状腺の異常

 先日も紹介した以下の記事は、6月16日に開催された「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の講演会での川根眞也さん(内部被ばくを考える市民研究会)の発表の文字起こしだ。

「乳頭がんが放射性物質誘発癌だ」ベラルーシと福島の甲状腺がん・小学校に降ったヨウ素の量6/16川根眞也氏(内容書き出し) (みんな楽しくHappyがいい)

 実は川根さんの講演の最後に驚くべき発言がある。その部分を以下に引用する。

ところがですね、昨日聞いた話。
福島生活クラブ生協の職員だったいま千葉に来ていらっしゃいますけれども、
その方が「いま福島で甲状腺の検査、第1ステージ、第2ステージ第3ステージというのがあって、
最終ステージで甲状腺の診断が完了するという、
第3ステージで止まっているそうです。
最終ステージの認定者を出していない。
だから甲状腺の専門家が増えていないという事を言っていました。

 第三ステージというのはおそらく細胞診のことだろう。ということは、細胞診が必要だとされた者の検査が進んでいないと理解できる。細胞診はすぐにできる検査のはずだが、それを止めている。細胞診を行ったら、「甲状腺がん」あるいは「甲状腺がんの疑い」の人数が増えてしまうから、意図的に止めているのではなかろうか? もし甲状腺がんの発症者を増やさないために細胞診を止めているのなら、驚くべきことだ。

 ところで、今年の3月10日に行われた福島共同診療所の報告会の内容がtogetterでまとめられている。甲状腺がんと確定した者が3人、疑いが7人の段階での話しだ。ちょっと長いのだが重要なことが書かれているので、是非読んでもらいたい。

福島共同診療所報告会 

 この中から、とくに重要と思われることについて、いくつか紹介しておきたい(引用ではなく、要約)。

・福島県立医大は放射能の影響はない、因果関係は認められない、甲状腺のエコー調査はもうしなくてもいいと言っている。

・子供が風邪をひきやすくなった、下痢しやすくなった、鼻血がでるようになったということに対して放射線の影響はない、心配しなくていいと繰り返される。これでは不安は解決しない。山下氏以外の医者は、あれだけ堂々と放射線障害はないと断定して言えない。

・診療所の検査は3カ月でトータル150人で、9割以上が県の検査を受けている。診療所の患者さんの半数は、県の検査のa2(5ミリ以下の結節または2センチ以下ののう胞)判定の人。

・a2判定の場合は次の検査は二年後なので、個人的に県内の医者に行くと、断られた。福島医大以外では検査しないでくれといった指示を、おそらく医師会を通じてやっている。

・福島医大の甲状腺検査は、検査時間が1、2分と非常に短く、写真を撮る時間もない。普通はどの臓器でも15分が基準。

・診療所にくる患者の30%くらいにのう胞があるが、さらにその半分はのう胞がぼこぼこと無数に散っていて、ハチの巣のようになっている。蓄積したヨウ素が甲状腺の構造を変えてしまっている可能性がある。

・今は甲状腺がメインになっているが、白血病や癌に関係ないものにも対応したい。

・高校生が心筋梗塞で亡くなったという話しを二回ほど聞いたが、高校生が心筋梗塞で死ぬようなことは普通は考えられない。

 甲状腺がハチの巣のようになっている子どもが一定程度いるのであれば、極めて深刻な事態ではなかろうか。それなのに福島県は検査をさせないようにしているそうだ。否、大変な状態だからこそ、検査をさせず甲状腺異常の多発を隠したいのだろう。

 もうひとつ、東海村が子どもを対象に行っている甲状腺検査の結果が出ている。2歳から6歳までの410人では、98人が経過観察で、2人が要精密検査。その後の578人の検査では132人が経過観察で、5人が要精密検査になっているそうだ。合計で988人のうち、経過観察が230人、要精密検査が7人ということになる。以下参照。

東海村の子ども甲状腺検査結果(安禅不必須山水)

 はたして東海村の検査時間はどの程度なのだろう? また、経過観察と要精密検査の区分はどうなっているのだろうか? いずれにしても、茨城県でも子どもの甲状腺に異常が出ているのは間違いないだろう。

 また、ツイッターでこんな情報もある。 https://twitter.com/Chooemon92/status/346937847846158337 

 東京在住の消化器系外科医の方とのことだが、学生さんにも甲状腺の腫れが多くでていて、触診でわかるそうだ。

 このような状態である以上、全国で甲状腺の検査をすべきだし、子どもだけではなく大人の検査もすべきだ。

 マスコミはこうしたことはほとんど報道しないが、いつまでも隠しきれるわけではない。隠して事態を悪化させるより、少しでも早く検査をして対策をとるのが賢明であることは言うまでもない。それにしても、おそらく被ばくの影響が顕著になるだろう2、3年後のことを考えると気が滅入ってくる。原発事故の被害ははかり知れない莫大なものになるだろう。

 つい先日、ヨウ素131の地上面沈着量が公表された。このような情報が今ごろになって出てくるとは唖然だ。なにもかもが後だしだ。甲状腺異常の多発を隠しきれなくなってきたから、今頃公表したのだろうか。もちろん、これだって過小評価している可能性もある。

【資料】<福島第一原子力発電所事故により放出されたヨウ素131の地上面沈着量を導出> (心の自由を探す旅の途上にて)

ヨウ素土壌汚染地図公開!浪江町など300万ベクレル超の汚染(子ども達を放射能から守るネットワーク@ちば)

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