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2013年1月29日 (火)

不可解な世論調査

 昨日の新聞に、共同通信社の行った世論調査の結果が出ていた。それによると、安倍内閣の支持率は66.7%で、昨年末の前回調査と比べると4.7ポイント増だったとのこと。

 新聞に掲載された世論調査の主な結果は以下だ。

内閣支持率
  支持66.7% 不支持22.1%
アルジェリア人質事件政府対応
  評価する63.3% 評価しない31.1%
自衛隊法改正
  賛成71.3% 反対24.9%
参院選の比例代表投票先
  自民党37.2% 日本維新の会12.1% 民主党8.8% みんなの党6.2%
2012年度補正予算案
  評価する51.8% 評価しない39.5%
2%の物価上昇目標
  評価する62.0% 評価しない32.6%
消費税の軽減税率
  導入した方がよい75.6% 導入しなくてもよい18.6%
TPP交渉参加
  賛成53.0% 反対35.4%

 この世論調査の質問項目を見て、まず驚いたのが、原発関係の質問がまったくないこと。原発問題は日本経済を大きく揺るがす大問題であるにも関わらず、また選挙で争点になったのに、なぜ入れていないのだろうか?

 安倍政権は、発足して間もなく原発の増設もありえるような姿勢を見せたし、もちろん再稼働するつもりだろう。それに憤りを感じている人も多いはずだ。今年は厳しい寒さだが、泊原発が止まっていても北海道では電気は足りている。再稼働を望んでいる人は果たしてどれほどいるのだろう? 原発敷地内の活断層のことも大きなニュースになっている。それなのに原発問題を取り上げないというのは何らかの意図が働いているとしか思えない。

 安倍政権が進めようとしている憲法改正についての質問もない。生活保護費の引き下げについても大きなニュースになったが、これについても質問がない。

 質問の仕方もおかしい。消費税増税についても軽減税率について問う以前に、なぜ消費税増税そのものを評価するか否かを問わないのだろうか。

 赤旗に志位委員長のあいさつが掲載されているが、以下のように述べている。

 実際、総選挙後のさまざまな世論調査を見ても、安倍内閣が進めようとしている消費税増税に対して、毎日新聞の調査では、国民の52%が反対と答えております。憲法9条改定に対しては、毎日新聞では国民の52%、朝日新聞では53%が反対と答えています。増税でも改憲でも、国民多数がこれに反対という意思を示しているわけであります。
 原発問題ではどうか。「国民の過半数が原発ゼロを望んでいる」というのは、国民的議論の到達点を踏まえて政府が出した結論でした。自民党政権に代わったら、この国民的議論の到達点が変わるなどということがありえるでしょうか。これはありえないわけであります。ですから、いま安倍内閣が進めようとしているあからさまな原発推進政策――再稼働の推進、新増設の容認、原発輸出の推進などは、「原発をなくせ」という国民世論に真っ向から逆らうものにほかならないということも述べておきたいと思います。

 増税も改憲も過半数が反対。原発も過半数がゼロを望んでいる。つまり、共同通信の世論調査は自民党に不利になるような質問項目を意図的に避けているとしか思えない。

 世論調査などというのは、質問の仕方でいくらでも操作や誘導ができるといってもいいだろう。

 アルジェリアの人質事件を受けて、政府が日本人の人質救出のために自衛隊法を改正したいなどと言い始めたのには呆れた。無事だった日揮の日本人の帰国なら政府が専用機を派遣すればいいのだから、自衛隊法を変える必要性はない。日本政府は情報の収集もまともにできず、右往左往していた。あの現場に自衛隊が行ったとして何ができるというのだろう? 自衛隊法の改正は、憲法の改定に繋がっていると考えるのが普通だろう。ところが、あの政府の対応を63.3%の人が評価し、自衛隊法の改正に71.3%もの人が賛成している。

 原発推進、消費税増税、生活保護の切り捨て、憲法改正へと突き進む内閣の支持率がこれほどにまで高いことに唖然とするが、この国の国民はいったい何を考えているのだろう? 日本経済に大きな影響を与えている原発のことは、もう多くの日本人の頭から消えているのだろうか?

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コメント

謹啓、戦争やテロを防止するのは軍事力でもイデオロギーでもなく貧富の差、貧困や疾病、差別や偏見等の怨念、不平等を解消しなければ暴力は連鎖致します。原発も一端メルトダウンすれば制御不能なのはチェルノブイリでもスリーマイル島の事故でも学習している筈なのに人間は同じ過ちを反復してしまいます。世論操作のマスメディアに依存せず自ら情報を集め考える日本人が増えるのを期待致します。敬具

関さん、コメントありがとうございます。

今、私たちはインターネットという誰もが自由に意見を言えるメディアを手に入れたことで、これまで知りえなかった情報を入手することができるようになりました。それによって、マスメディアの情報がいかに偏ったものであるかを思い知らされました。

これからの時代を背負っていく若者こそ、自分で情報収集して事実を見極めて欲しいと願わずにはいられません。

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